2021 Fiscal Year Annual Research Report
筋収縮・弛緩応答を可能にする循環器系組織工学基材の開発と移植用小口径血管への応用
Project/Area Number |
19K09266
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
宮本 啓一 三重大学, 工学研究科, 教授 (70252343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
晝河 政希 三重大学, 工学研究科, 助教 (40823456)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エラスチン / フィブリリン / 人工血管 / リモデリング / 収縮弛緩 / 拍動培養 / 組織工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は研究代表者らが開発した細胞外基質製の伸縮性線維シート、連続孔弾性線維ゲル、膠原繊維シートおよび、平滑筋細胞、内皮細胞の動的刺激培養を複合化させ、生体物質のみの構造・機能を模倣再現した小口径人工血管の作製を目的とし、同時に血管収縮・弛緩応答が生体血管と同期でき、リモデリングにより自己組織化され力学特性が維持し続ける特徴を目指す。エラスチン、コラーゲン、フィブリリンの細胞外基質を原料に平滑筋細胞を複合することから模倣再現した小口径人工血管に対して、拍動培養装置を用いてリモデリングを狙った組織培養を行った。装置改良を重ね、複数本の小口径人工血管 (1~4mm)に同時に拍動刺激を付加でき、加えて細胞培養液の循環による血管内圧のモニタリングが可能なセンサーを組み込んだ。本装置により組織培養した小口径人工血管は、生体血管同様の力学特性に加えて、機能的特徴として血管収縮剤刺激および弛緩剤刺激により人工血管の直径の変化を測定したところ、可逆的で早い収縮応答および弛緩応答が可能であった。 組織培養した内径1mmの小口径人工血管を、ラットの大腿動脈へ置換移植して検討し、置換移植後2w観察を行った。流路の結果をマイクロX線CTにより観察し、人工血管内には血栓の存在はなく周辺血管との接合部でも開存していた。内皮細胞と内膜構造および、小口径血管との連結を促進させるための毛細血管様構造を模倣する基材の開発を行い、複合化を試みた。その際、これまでよりも更に小さい微小圧力変化をモニターできる装置を組み込んだ培養器の開発に成功した。以上の研究成果により、生体組織と同様の基質組成・細胞組成の小口径人工血管(4mm~0.1mm)で収縮刺激応答が可能な移植用リモデリング組織工学的人工血管を、同時に多検体培養できるシステムの構築に成功した。
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Research Products
(1 results)