2019 Fiscal Year Research-status Report
免疫チェックポイント機構による心不全の病態制御機構の解明
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19K09267
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河村 愛 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (10838923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 拓史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60839398)
秦 広樹 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (80638198) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 重症心不全 / 左室補助人工心臓 / 左室unloading / 免疫チェックポイント機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では免疫チェックポイント機構による重症心不全の病態制御機構を解明することを目的としている。免疫チェックポイント機構の研究は、癌の領域においては非常に熱心に行われているが、心不全領域においてはほとんど研究がなされていない。重症心不全発症・増悪の新たなメカニズムを解明することで、今後も増加することが予測される重症心不全患者の治療につなげていくことが研究のねらいである。まず、過去に重症心不全の治療のために左室補助人工心臓を装着し左室をunloadした患者23名の術前術後の心臓組織検体を入手し、心臓組織内におけるPD-1/PD-L1の発現を、免疫染色法を用いて検討した。結果は現在解析途中であるが、左室unload後の心筋組織内において、unload前と比較してPD-L1の発現亢進を認めた。この結果を半定量的に判定するべく、現在組織切片からRNAを抽出しRT-PCR法を用いた解析を施行している。さらにin vitro で同様の現象が起こるかどうかを検証するべく、マウス心筋細胞、線維芽細胞、ヒト臍帯血由来血管内皮細胞を接地培養後ストレッチチャンバーで進展させ、その後解除する事によるunloadingモデルを作成している。ストレックス社のストレッチチャンバーシステムを用いて、まず細胞の接着培養の条件検討(ゼラチン・フィブロネクチン・コラーゲンによるコーティングの差異、最適細胞濃度などの検討)を行い、その後実際にストレッチさせたのちに解除することにより、unloadingされた細胞のサンプルを採取した。現在unload前後でのPD-L1の発現及びaPKCλ/c-Myc等の発現の変化を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度であり必要な設備などの導入や免疫染色の条件などの検討に時間を要した。また大阪大学医学部附属動物実験施設の大規模改修工事およびCOVID-19の感染拡大に伴い、実験動物の搬入ができず、in vitro の研究を先行させた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在解析中の実験(患者の心筋組織検体を用いたPD-1/PD-L1発現についての解析、in vitro のunloadingモデルにおけるPD-L1/aPKCλ/c-Mycなどの発現についての解析)を継続する。またマウスを用いた動物実験で圧負荷心不全モデルを作成、心臓組織を採取し、PD-L1/aPKCλ/c-Mycなどの発現を解析する。
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Causes of Carryover |
上述のように動物実験ができなかったことでその分の予算が余っている。また現在in vitroでの細胞のunloading modelを作成しているが、まだ解析途中であり、引き続き実験が必要である。本年度は動物実験を含めた実験をさらに進めていく予定であり、次年度使用が生じている。
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