2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of therapy of pulmonary ischemia-reperfusion injury targeting ubiquitin ligase
Project/Area Number |
19K09289
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
杉本 龍士郎 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (70549873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 倫久 愛媛大学, 医学系研究科, 講師(特定教員) (20709266)
中岡 裕智 愛媛大学, 医学部, 技術員 (30795464)
岡崎 幹生 岡山大学, 大学病院, 講師 (50467750)
佐野 由文 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (60322228)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺移植 / 虚血再灌流障害 / 血管内皮細胞 / ユビキチンリガーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
肺虚血再灌流障害の分子メカニズムの理解とその予防法開発は、肺移植にとって重要である。虚血再灌流障害は、肺移植時の血流遮断に伴って生じる活性酸素などによって血管内皮細胞が刺激され、血管透過性の亢進と、その後の多段階炎症反応によって起こることが知られている。しかし、その詳細な分子機序は依然として不明であり、その予防法も見つかっていない。これまで我々は、肺虚血再灌流障害予防法確立のための標的分子としてCullin-3型E3ユビキチンリガーゼに着目して研究を進めてきた。Cullin-3は、標的基質の分解および機能変換のためのBTBドメインを持つ基質受容体(BTBP, ヒトでは183種報告)と相互作用することでE3リガーゼ複合体を形成し、酸化ストレス応答などに深く関わっている。本研究では、ヒト肺虚血再灌流と同様の病態を示すモデルマウスを用いて、次世代シーケンサーと免疫組織染色を組み合わせることで、肺虚血再灌流障害を制御するCullin-3型E3ユビキチンリガーゼの標的基質とその基質受容体の探索研究を実施した。その結果、Cullin-3と相互作用を示し、なおかつ虚血再灌流時に肺組織で著しく発現上昇する複数のBTBPを見いだすことに成功した。これらのBTBPは虚血再灌流時に肺組織中でCullin-3依存的に標的基質を分解し、炎症反応を惹起させる可能性が考えられる。従って、その結合阻害剤は虚血再灌流障害予防剤として有望となる可能性が高いため、今後、AlphsScreen法などを用いた分子間相互作用を阻害する化合物の探索が不可欠である。
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Research Products
(2 results)