2021 Fiscal Year Annual Research Report
ドナーグラフト内の白血球を標的とした肺移植における新規治療法の開発
Project/Area Number |
19K09302
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大角 明宏 京都大学, 医学研究科, 助教 (90829574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳川 豊史 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00452334)
伊達 洋至 京都大学, 医学研究科, 教授 (60252962)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 体外肺灌流システム / 虚血再灌流傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
移植におけるドナー臓器不足は日本と同様、諸外国でも喫緊の課題である。欧米では、摘出肺を移植に用い得るか否か、体外肺灌流システムを用いて評価されている。このシステムは、肺動脈幹・左房・気管にカニューレを装着して特殊な灌流液で循環させ、かつ人工呼吸器で換気させながら、摘出肺の機能を評価するものである。本研究では、ラット肺の体外肺灌流および移植モデルを用いて、体外肺灌流中及び灌流後のドナー由来の白血球分画のうち、単球及び顆粒球の変動をフローサイトメトリーによって解析した。また、これらの分画を薬剤処置等によって除去することにより肺移植後の機能が改善されるかを検証した。本研究の結果は、肺移植後の虚血再灌流傷害の予防に有用で、画期的な肺移植の成績向上につながり得ると考える。 2019年8月より、ラット肺の体外肺灌流モデルの練習を開始し、モデルが確立した。続いて2019年11月よりラット肺移植モデルの練習を開始し、モデルを確立した。また、2020年3月よりフローサイトメトリーによる白血球分画の解析を開始し、灌流液や肺内の白血球分画の測定方法を確立した。2020年10月から、体外肺灌流後に移植を行う実験系を開始し、確立した。2021年4月から体外肺灌流中に薬剤を用いて単球及び顆粒球の除去を行う実験を開始し、同年7月に肺移植後の虚血再灌流傷害を予防できることを見出した。この内容に関して、第39回日本呼吸器外科学会学術集会および第42回国際心肺移植学会で発表を行い、現在論文を作成中である。
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