2020 Fiscal Year Research-status Report
呼吸困難感に対するオピオイドを用いた症状緩和プロトコール確立
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19K09320
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田口 奈津子 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (80282474)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 呼吸不安定性 / オピオイド / がん患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、オピオイドががん、非がん患者いずれにおいても終末期の苦痛となる呼吸困難感にたいし、呼吸抑制のリスクを最小限とし臨床医がより安全に用いることが可能となるための指標の判定である。したがって、現在のベッドセンサー システムにおいて継続した呼吸の測定を行い、かつ 呼吸数のみならず様々な呼吸変動を正確に捉える必要があると考えている。 そのため2020年度には、継続して緩和ケア目的入院患者の24時間継続したベッドセンサー システムによるモニタリングとその解析を中心に行った。 オピオイド製剤の増加とともに呼吸が不安定となることを明らかにし、その不安定さを示す指標を提示し検討を行った。本成果は J Appl Physiol に投稿済みである。 さらに、本研究の目的である、オピオイド使用患者における夜間呼吸異常を日中測定可能なパラメーターで予測する研究については倫理委員会の承認を得、研究計画を開始したところである。日中測定される圧痛計を用いた痛み域値の判定および息堪え時間についてその指標の妥当性を明らかにするために施行した、オピオイドナイーブ患者での オピオイド投与前後での本測定値の変動についてJA Clin Rep. 2020 Oct 20;6(1):85に報告した。 本研究の最大の目的であるこれらの指標の測定と担がん患者における夜間呼吸異常についての関連を次年度に継続して研究予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
緩和ケア病床入院患者でのデータ測定を予定しているが、コロナ感染拡大にともない ベッド数の削減やさらなる入院期間短縮の必要性が出ており、安定してデータを取得することができない状況であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
患者対象を緩和ケア病床入院患者のみならず急性期病棟入院中の緩和ケアチーム介入患者に拡大し、最終年度である本年 データの収集を進める予定である。
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Causes of Carryover |
本年度はコロナ感染拡大のため各種学会が中止となり、学会報告等に必要な旅費や支出が予算策定時とは異なり使用できない状況になった。また研究計画の遅れに伴い、各種予算の使用状況が遅滞しているのが現状である。 しかし本年度はデータ取得予定であり、かつ可能な範囲で成果発表の場を確保していく予定であることから データ管理費、学会参加費、英語論文校閲費、統計解析相談費用等に配分予定である。
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Research Products
(1 results)