2023 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸困難感に対するオピオイドを用いた症状緩和プロトコール確立
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19K09320
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田口 奈津子 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (80282474)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 呼吸困難感 / オピオイド / 息こらえ時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
呼吸困難感に対するオピオイド治療の一般化、迅速な治療必要量設定のためには、オピオイドによる呼吸抑制予測の正確性改善が重要である。我々は、がん終末期患者の夜間の呼吸異常がオピオイド投与量に依存すること、特に女性にその傾向が強いことを報告している(Hasegawa M et al 2021). 本研究の目的は「がん性疼痛治療または、呼吸困難感治療目的にオピオイドを投与されるがん患者において、日中測定された息こらえ閾値の値により、夜間の呼吸異常が予測可能である」という研究仮説を検証することである。並行する研究として、1)ベッド上の活動を評価する指標 Activity Index (ACI) を用いて、患者の Performance Status (PS) を客観的に評価する研究及び 2)がん終末期患者でのオピオイド・ベンゾジアゼピン系薬剤の併用効果を検討した。 ACI を用いることにより、それぞれの入院病棟でのPSの変化を客観的に評価可能である事を報告した(Nozaki-Taguchi et al 2023). さらにベンゾジアゼピン投与後に観察される呼吸数の有意な減少は生理学的範囲内であり、薬剤投与による明らかな呼吸異常は観察されない事を報告する(manuscript submitted, Yoshimura A et al). 日中の息こらえ閾値測定による予測可能性については、当科緩和ケア目的入院がん患者を対象とした。研究期間中に、COVID-19流行による病棟閉鎖などが繰り返され、症例確保が困難となり研究期間延長を余儀なくされている状態である。今後拡大が予想される非がん患者での緩和ケアにおいて最も頻度の多い症状は、呼吸困難感であることが知られている。本研究の実施により各種疾患において有用なオピオイド使用に向けて重要な指針を与えることが可能となると考えている。
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Research Products
(2 results)