2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of spinal mechanism of chronic myalgia using novel in vivo patch clamp method and search for therapeutic agents.
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19K09323
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
歌 大介 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (70598416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 徹 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90464156)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 線維筋痛症 / 痛み / シナプス伝達 / 電気生理学 / in vivo記録 / ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
維筋痛症(FM) や筋・筋膜性疼痛(MPS)は、「慢性的な筋の痛み」を主症状とする難治性疾患で、有効な治療法・治療薬が乏しいことから患者の日常生活やQOLを著しく低下させる。日本におけるFMの患者数は人口の約1.7%(200万人)と推計される。また「肩こりや腰痛」のようなMPSは厚生労働省による国民生活基礎調査において自覚症状のツートップを長らく独占しており、加齢により増加するため、超高齢化社会に直面した日本をはじめとする先進国において早急に取り組むべき最重要課題である。申請者らはこれまでに、FMを実験モデルとして、慢性難治性筋痛疾患の末梢神経機構の一端を解明してきたが、脊髄機構を含む中枢神経機構に関する研究は皆無に近い。そこで、本研究ではまず、筋からの痛覚入力を受ける脊髄後角表層細胞の解析のため、新規in vivoパッチクランプ法を世界に先駆け開発を目指し、未だ国内外で全く手が付けられていない筋痛覚過敏に関わる脊髄機構解明に焦点を当て、脊髄情報伝達回路の可塑的変化を明らかにすることを目的とした。これまでの研究で、筋からの痛覚入力を受ける脊髄後角表層細胞からのin vivo記録には成功し、筋への定量刺激に対し刺激強度依存的に発火頻度が増加することを見出した。また筋受容野への高張食塩水投与により持続的な発火頻度増加が認められた。本結果は、筋への高張食塩水投与により筋痛が誘発される行動薬理学的解析結果と一致していた。本年度は、筋への高張食塩水投与により活性化される脊髄のニューロンの特性について、解析を進めた。その結果、筋への高張食塩水投与により活性化される脊髄のニューロンの多くは興奮性のニューロンであることが明らかとなってきた。また筋への高張食塩水投与により活性化される脊髄のニューロンの多くは、筋への機械的痛み刺激に応答したニューロンであった。
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