2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanisms-based therapeutic strategies for neuropathic pain through peripheral macrophages
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19K09333
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岸岡 史郎 和歌山県立医科大学, 薬学部, 学長特命教員(特別顧問) (60137255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木口 倫一 和歌山県立医科大学, 薬学部, 准教授 (90433341)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マクロファージ / 神経障害性疼痛 / DREADD / 末梢神経 / 坐骨神経 / 糖尿病 / 化学療法薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らはこれまでに、傷害末梢神経に浸潤する炎症性マクロファージが神経障害性疼痛の末梢性責任細胞であることを提唱してきた。本研究の目的は、神経障害性疼痛の病態分子基盤におけるマクロファージの詳細な役割を明らかにすることである。高脂肪食の給餌による2型糖尿病性神経障害性疼痛モデルマウスを用いた検討では、機械的アロディニアの発症とともに末梢神経における炎症性マクロファージの増加が認められた。炎症性マクロファージを特異的毒素によって除去すると、各種炎症性サイトカインの産生が減少するとともに、機械的アロディニアが抑制された。またマクロファージ抑制薬としてすでに見出しているTC-2559を末梢神経に局所投与することによっても、アロディニア抑制効果が顕著に認められた。さらに、腹腔より採取したマクロファージをリポ多糖で活性化させて末梢神経周囲に局所投与すると、機械的アロディニアが惹起された。これらの結果より、末梢神経の物理的損傷のみならず、糖尿病性神経障害性疼痛においても、炎症性マクロファージが重要な役割を果たすことが明らかになった。昨年度はGq-DREADDによってマクロファージを活性化させる手法を用いたが、その他の方法でマクロファージを活性化させた場合においても、アロディニアが惹起されたことから、病態を問わず何らかの形でマクロファージが活性化されるとアロディニアの発症に直結することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
坐骨神経の物理的損傷とは異なる糖尿病性神経障害性疼痛モデルにおいても、炎症性マクロファージの機能的重要性を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は種々の異なる神経障害性疼痛モデルにおけるマクロファージ依存的な病態分子基盤を明らかにするとともに、それらを標的とした新規治療戦略について検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
一定の残額があるものの、物品費に充てる範疇であり、次年度に繰り越した方が有意義であると判断したため。
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Research Products
(5 results)