2019 Fiscal Year Research-status Report
オプトジェネティクスをもちいた麻酔薬による術後認知障害の機序の解明
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19K09355
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
向原 桂香 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (60837269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 麻衣子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (20516637)
奥野 浩行 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80272417)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オプトジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
全身麻酔下の手術侵襲による神経活動変化をリアルタイムに解析するため、現在は2%イソフルラン± NMDA antagonist (MK801 0.05 mg/kg i.p.)投与下にマウス足底に5mm長切開を加え8-0ナイロン糸で縫合し、術後痛モデルを作成する。切開前後の前頭前野、海馬における神経活動による細胞内カルシウム応答GCaMP6f、また、活動依存的な遺伝子発現をArc-GFPレポーターによってリアルタイムに測定するによる神経活動の修飾を検証する実験を中心に手技の確立と、神経活動変化を経時的に観察を行っている。また、今後さらに神経活動レポーター遺伝子の脳内注入を行うためのモデル作成を行っている。 そして、術後記憶・認知行動評価と神経活動の相関の評価の実験として、マウスに対し、音それ自体は恐怖反応を喚起しないが、刺激音と同時に電気刺激(フットショック)を与えて条件付けをおこなうと音刺激のみですくみ行動が誘起されるようになる。術前に学習をおこない、術後にマウスに音を聴かせ条件刺激(音)のみですくみ反応が出現するか評価する。恐怖記憶は形成直後の記憶(短期記憶)が遺伝子発現を伴う固定化プロセスを経て維持・強化される(長期記憶)。このプロセスへの麻酔下手術侵襲の影響を明らかにする実験中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
術後痛モデルマウスの作成や神経活動レポーター遺伝子の脳内注入を行うためのモデル作成は手技的難易度が高いが、概ね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、術後痛モデルマウスを若年マウス、老年マウス等で比較検討し、術後の認知機能に影響があるかなどを行動実験と共に検討する。
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Causes of Carryover |
マウスの心肺蘇生モデルの作成が滞っていたため、マウスの購入数が少なかった。今後は、マウスの購入や薬剤、必要な器具を購入予定である。
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