2021 Fiscal Year Annual Research Report
The quest for the appropriate anesthetic agents for patients undergoing cancer surgery-What is the best analgesic agent?
Project/Area Number |
19K09367
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
丹羽 英智 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (20374845)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | natural killer cell / 細胞傷害性アッセイ / レミフェンタニル / ナチュラルキラー細胞傷害活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究背景:Natural killer (以下NK) 細胞は、生体に備わっている抗癌免疫細胞の一つであり、腫瘍細胞殺傷能力を持つ。癌切除手術後のNK細胞活性(以下NKCC)を維持することが、術後の転移、再発を減らし、患者の予後を改善する可能性がある。麻薬鎮痛薬であるレミフェンタニルは、強力な鎮痛作用をもたらし、外科的侵襲ストレスを最小限に抑えることから術後のNKCCを維持することに秀でている可能性がある。 2.本研究の目的は、レミフェンタニルのNKCCへの影響を明らかにすることである。 3.研究方法:まずは、麻酔薬がNKCCに与える影響を検討するためのヒトNK細胞株(KHYG1)を用いた実験系を確立することから始めた。KHYG1をエフェクター(E)細胞、K562細胞をターゲット(T)細胞として、様々なE:T細胞数比(ET比)の条件下、LDH放出細胞傷害アッセイでNKCCを測定し、至適ET比を決めた。次に免疫抑制薬であるステロイドをPositive controlとして使用するため、様々な濃度のプレドニゾロンを添加したのちNKCCが確実に抑制される条件を検討した。さらに、レミフェンタニルと同系統の鎮痛薬であるフェンタニル、モルヒネのNKCCへの影響を検討した。これら二剤は、既にNKCCを低下させることが知られていることから、この実験で得られる結果が先行研究の結果と一致するかどうか検討した。最後に、様々な濃度のレミフェンタニルをKHYG1に暴露し、LDH放出細胞傷害アッセイを行った。 4.研究成果:ET比=10:1、Positive control(プレドニゾロン10μM)が至適条件と判明した。フェンタニル、モルヒネ実験において、先行研究と一致した結果が示されたことから、本実験結果の信頼性を確認した。そして、レミフェンタニルは、濃度依存性にNKCCが減少することが示された。
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