2019 Fiscal Year Research-status Report
グリコカリックス解析による出血性ショックに対する水素吸入療法の開発
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19K09371
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
御室 総一郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90464114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 芳樹 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00252198)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グリコカリックス / 吸入水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
HSに対する水素吸入の保護作用をもモデルラットを用いて生存率、血行動態、組織像(電子顕微鏡によるグリコカリックスの脱落の程度)を検討した。 血液中に遊離したグリコカリックス層の構成成分であるシンデカン1、ヘパラン硫酸の測定を行うことで、その機序を検討する予定であったが、ヘバラン硫酸の測定は不安定で測定が検討に十分足るとは言えなかった。しかしシンデカン1の検討はできたためグリコカリックスの脱落の程度の評価を行った。 また炎症のマーカーや組織障害のマーカーとなるIL-6、TNFα、HMGB1を測定したが、これらも出血による炎症の活性化、組織損傷の程度を評価したが、検討に足るに十分ではなかった。 しかし、水素吸入による効果は生存率の改善、シンデカン1が低下することによりグリコカリックスの保護効果が示唆された。 臨床応用に向け活性酸素の産生に影響する喫煙、高齢の影響の因子を加えた場合、HSに対する水素吸入の有効性についてはまだ十分検討できていない状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
吸入水素は出血性ショックに対する保護効果が示唆される結果ががえられた。あと機序についての検討が残っているが、おおむね順調に進捗している
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Strategy for Future Research Activity |
吸入水素の出血性ショックの保護効果が示唆されるデータは得られたが、その機序についてはこれからの検討が必要である
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、グリコカリックス関連のマーカーの測定が安定しなかったため、測定法の検討を行ったために次年度に使用を持ち越したためで、上記マーカーについて検討を行い測定を進める計画である。
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