The association between perioperative carbon dioxide management and postoperative delirium

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K09372
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 鈴木 聡 岡山大学, 大学病院, 助教 (50444675)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 二酸化炭素 / せん妄 / 周術期 / 麻酔 / 呼吸管理 / 術後合併症

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、全身麻酔下で大手術を受ける患者において、①周術期CO2管理の現状調査、②血中CO2値の異常と術後せん妄の発生頻度、患者予後の関連の検証、③脳血流維持を目的とした軽度の高CO2値を目標とする呼吸管理が、バイオマーカーや術後せん妄発生に及ぼす影響を明らかにすることである。
本年度は②について、昨年度データ抽出を終えた約2,700名の術後患者のデータ解析を行い、後ろ向き観察研究を遂行した。本研究で、術中の低CO2血症の発生と術後せん妄発生の間に関連を認め、現在論文作成中である。
②の結果を受けて、③の軽度の高CO2値を目標とする呼吸管理の有効性を調査する介入研究の妥当性を証明できたため、術中CO2管理についての介入研究を計画中しており、次年度の遂行を目指している。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

手術室、集中治療室の電子記録システムからのデータ抽出と、データクリーニングに時間を要し、観察研究用のデータベースの構築が遅れていた。本年度でデータ解析をほぼ終了し、現在学会発表準備、論文作成を行っている。
介入研究については、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）拡大に伴う研究活動の制限や手術制限によって大幅に遅れが生じていた。本年度途中から制限が解除され研究活動を再開できるようになり、次年度の研究開始にむけて倫理委員会への申請の準備を進めている。

Strategy for Future Research Activity

観察研究の結果について、次年度中の学会発表、論文投稿を行う予定である。
介入研究については、観察研究の結果から判明した術後せん妄ハイリスク患者群を対象患者として設定し、軽度の高CO2値を許容する術中呼吸管理が、脳傷害の指標となるバイオマーカーや脳血流に及ぼす影響、術後せん妄の発生に及ぼす影響を調査する予定で計画しており、次年度内での遂行を目指している。

Causes of Carryover

理由：本年度は、データベースの構築が遅れてしまい、観察研究の結果の学会発表、論文化に至らなかったため、それに要する資金を使用しなかった。さらに、COVID-19拡大に伴い介入研究の開始に遅れが生じているため。

使用計画：次年度には観察研究の結果発表を行う予定であり、学会発表、論文化に必要な資金を使用する予定である。さらに、COVID-19の制限撤廃に伴い介入研究を遂行する計画で、生物統計学者へのコンサルタント料が必要となる。さらに、同意取得や試料採取に伴う研究サポートの外部委託や外注検体検査の費用に充てる予定である。