2020 Fiscal Year Research-status Report
The regulation of immune response by anti-psychotics via oxidative stress
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19K09387
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
大田 典之 近畿大学, 医学部, 准教授 (60379162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 慎一 近畿大学, 医学部, 教授 (10207714)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 樹状細胞 / IL-12 / 接触過敏症 / ドーパミン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は骨髄由来の樹状細胞に対するハロペリドールの免疫応答に与える影響を検討した。本年度はハロペリドールがドーパミン受容体aリガンドであることを鑑み、ドパミンD1およびD2受容体リガンドの樹状細胞に対する効果を解析した。マウスの骨髄細胞 より誘導した樹状細胞を D2受容体リガンド処理すると、通常の樹状細胞が呈する分化成熟の過程が抑制された。この過程には副刺激分子CD80, CD86の発現とTh1を誘導するサイトカインであるIL-12の産生が含まれる。これらをD2受容体antagonistの処理は抑制した。D1受容体antagonistでは同様の効果は得られなかった。次にこのようにd2 antagonistによって形質変化した樹状細胞が細胞のプライミングに影響をあたえるのかをリンパ球混合培養法によって解析を行った。このアッセイによって試験管内てD1受容体リガンド処理した樹状細胞はリンパ球のプライ ミングを抑制することが示された。次にD1受容体antagonistの作用が動物個体の免疫応答に影響しうるのかを解析した。この目的で樹状細胞の免疫によって 誘導できる接触型過敏症モデルによる解析を導入した。この疾患モデルは典型的なTh1型免疫応答によって起こる疾患モデルでありこ のモデルを用いた解析を行 うことで動物個体レベルのTh1型免疫応答への影響を解析することが可能となる。結果はD1受容体antagonistで処理した樹状細胞によって免疫を行うと対照群と比較 して接触過敏症が抑制され、Th1型免疫応答が抑制されることが解明された。これらからハロペリドールの樹状細胞を介する免疫応答への影響はドーパミンD2受容体への作用を介することが示唆された
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハロペリドールの免疫系への影響を当初は酸化ストレスを中心に解析を進める予定であったが、研究の遂行とともに、ドーパミン受容体を介した経路が見出せており、その詳細な解析を進めることに研究の流れが修正されており、実験の計画の初めに予定した方向性からは若干の変化が生じている。しかしながら研究としては着実に進行しており、この方向性でより詳細な検討をおこなていく予定である
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Strategy for Future Research Activity |
ドーパミン受容体を介した樹状細胞の免疫応答についてさらに詳細な解析を進めるとともに、免疫細胞内での分子メカニズムを検討するためにマクロファージを用いた解析も開始する
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Causes of Carryover |
研究室の設備で緊急的に必要となったものが発生しており(deep freezer)、その購入のために次年度に予算を計上した
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Research Products
(2 results)