2021 Fiscal Year Research-status Report
時系列的免疫細胞と脳血管内皮細胞連関による脳障害機序にω3系脂肪酸が及ぼす影響
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19K09388
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Research Institution | Junshin Gakuen University |
Principal Investigator |
松井 智浩 純真学園大学, 検査科学科, 准教授 (50314828)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳微小血管内皮細胞 / VEカドヘリン / TNF-α / IL-17 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳虚血等による脳障害には、末梢性炎症細胞の脳内への浸潤が大きく関わる。その浸潤には、脳微小血管内皮細胞に発現するアドヘレンスタンパクや細胞間接着因子が重要な役割を担う。よって、それらの発現を抑制することにより、脳障害を軽減させる可能性がある。 ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)等のω3系多価不飽和脂肪酸が、アドヘレンスタンパクや細胞間接着因子の発現に及ぼす影響を調べる手始めとして、本年度の研究では、脳障害を引き起こすTNF-αやIL-17がそれらの発現に影響を与えるのか否かを調べた。その結果、両サイトカインは、細胞間接着因子のPECAM-1発現には作用しなかったが、アドヘレンスタンパクのVEカドヘリン発現をそれぞれ濃度依存的に増加させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
免疫細胞染色の条件決定に時間を要した。その他、EPAの海外からの入荷が再開されず、DHAとEPAを用いた研究を行うことができなかった(同時に使用するため)。よって、研究は遅れていると評価せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者はこれまでに、脳低温療法による脳保護作用機序を、時系列的免疫細胞および脳血管内皮細胞連関に着目し、様々な時系列的炎症反応抑制に基づくニューロン死と脳血管内皮細胞死の抑制および脳血管内皮細胞の接着因子/ケモカイン発現の抑制の観点から示してきた。本研究は、本療法の改良や新規治療法への開発に向け、栄養学的見地からアプローチを行うものであり、EPAやDHA等のω3系多価不飽和脂肪酸(以下、ω3系脂肪酸)に着目する。具体的には、ω3系脂肪酸が上記の脳保護作用機序と同様な効果を示すのか、またその他、血液脳関門(BBB)を構成する脳血管内皮細胞のタイトジャンクション蛋白発現やBBB透過性にどのような影響を及ぼすのか(どの程度抑制するのか)を細胞培養系で検討した上で、新生児低酸素性虚血性脳症モデルを用いて、脳低温との併用も検討し、応用(臨床)的知見を得る。
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Causes of Carryover |
(理由)免疫細胞染色の条件決定に時間を要したため。その他、EPAの海外からの入荷が再開されず、DHAとEPAを用いた研究を行うことができなかったため(同時に使用するため)。
(使用計画)申請者はこれまでに、脳低温療法による脳保護作用機序を、時系列的免疫細胞および脳血管内皮細胞連関に着目し、様々な時系列的炎症反応抑制に基づくニューロン死と脳血管内皮細胞死の抑制および脳血管内皮細胞の接着因子/ケモカイン発現の抑制の観点から示してきた。本研究は、本療法の改良や新規治療法への開発に向け、栄養学的見地からアプローチを行うものであり、EPAやDHA等のω3系多価不飽和脂肪酸(以下、ω3系脂肪酸)に着目する。具体的には、ω3系脂肪酸が上記の脳保護作用機序と同様な効果を示すのか、またその他、血液脳関門(BBB)を構成する脳血管内皮細胞のタイトジャンクション蛋白発現やBBB透過性にどのような影響を及ぼすのか(どの程度抑制するのか)を細胞培養系で検討した上で、新生児低酸素性虚血性脳症モデルを用いて、脳低温との併用も検討し、応用(臨床)的知見を得る。今後は、研究の遅れを取り戻すためにも、細胞培養系実験の一部を、受託研究サービスに依頼する予定である。
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