2019 Fiscal Year Research-status Report
Study of the anti-inflammatory roles of the exosomes from intestinal epithelial cells in sepsis via a paracrine effect
Project/Area Number |
19K09392
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
朴 恩正 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (20644587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 英嗣 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20577415)
島岡 要 三重大学, 医学系研究科, 教授 (40281133)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 敗血症 / 盲腸結紮穿刺(CLP) / 樹状細胞 / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症は多微生物の侵入に対する宿主免疫の対応失敗から起因する死亡率の高い深刻な全身性疾患である。敗血症は、特に、全身組織的炎症性症候群であり、疾患の誘導と制御において樹状細胞(dendritic cells; DCs)が免疫反応の過剰もしくは不全を操るとも言えるほど重要な抗原提示機能の保つ免疫細胞群であると考えられる。本研究課題は、敗血症において全身性誘導組織である脾臓(spleen; SP)の樹状細胞と、局所性腸管粘膜誘導組織の腸間膜リンパ節(mesenteric lymph nodes; MLN)の樹状細胞の免疫反応の誘導・制御の機能をマウスモデルを用いて解明することを目的とした。本研究の実験方法で、マウス盲腸結紮穿刺(cecal ligation and puncture; CLP)方法を用いて敗血症モデルを誘導して、SPもしくはMLN からの樹状細胞のアロジェニックCD4 T細胞の増幅や活性化への互いに異なる効果が出ることを確認した。さらに、敗血症CLPモデルでSP-DCsとMLN-DCsの抗原提示分子やサイトカインの発現レベルが異なることが確認され、SPとMLNの樹状細胞が、敗血症の発病の際、T細胞活性化誘導において炎症免疫学的に異なる役割を果たすのが捉えている。特に、粘膜誘導組織の樹状細胞から産生する炎症性サイトカイン(IL-1beta)によってT細胞の増幅が促進されることが予想された。したがって、本研究課題は、敗血症の発病の際働く樹状細胞が、体内異なる誘導組織によってT細胞依存的な炎症誘導または免疫不全を、異なるように誘導する分子機序を持つのではないかと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫反応の対応の宿主側の失敗から始まる敗血症は、多臓器機能不全まで至らせる全身的な重症疾患である。正常的な免疫反応の敗血症での失敗が、樹状細胞のリンパ球への抗原提示機能等の異常により始まるという科学的な根拠や背景により、私たちは、粘膜誘導組織に存在する樹状細胞が全身性誘導組織の樹状細胞とその全身性疾患での果たす役割または機能が異なるという一つの仮説を持った。令和1年度には、敗血症のマウスモデルを用いての結果として、全身性遊動組織(脾臓)と比べ、粘膜誘導組織(腸間膜リンパ節)の樹状細胞が、CD4 T細胞のより高い増幅力を誘導したことが確認された。さらに、敗血症での粘膜誘導組織の樹状細胞が、抗原提示分子(MHC class II)分子や炎症性サイトカインのIL-1betaの発現増加もわかった。したがって、本課題で、敗血症で誘導される免疫機能が存在する樹状細胞の場所によって異なる可能性を提示した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として、敗血症で全身誘導組織と粘膜誘導組織の樹状細胞による時空的に異なる免疫反応を誘導することを解明するために、より包括的で根拠の確実な解明に向けての研究を行いたい。例えば、多様な条件(i、よりマイルドまたは厳しい条件のCLP実験、ii、リンパ球と樹状細胞のより短いまたは長い反応時間での研究)で実施することや、CLP以外の他の敗血症モデルを導入して研究する予定である。さらに、敗血症において、肺組織や筋肉組織での炎症反応への免疫学的な機能変化も分析して行くことも考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、昨年度に購入を予定していた、エキソソーム回収に必要な試薬の購入費が少なく済んだためである。また学会参加費、旅費、人件費・謝金なども少なく済んで本年度の使用額となった。 次年度使用額の使用計画は、敗血症モデルマウスの腸管上皮細胞からlumenに分泌するエキソソームを腸管洗浄液から回収する実験に必要な試薬などの購入に使用する。さらに、分離するエキソソームからRNAを分離しその内特定のマイクロRNAの発現を調べる実験に必要な試薬の購入にも使用する計画である。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Anti-adhesive effects of human soluble thrombomodulin and its domains2019
Author(s)
Eiji Kawamoto, Nodoka Nago, Takayuki Okamoto, Arong Gaowa, Asami Masui-Ito, Yosuke Sakakura, Yuichi Akama, Zay Yar Soe, Onmanee Prajuabjinda, Samuel Darkwah, Michael G. Appiah, Phyoe Kyawe Myint, Gideon Obeng, Eun Jeong Park, Hiroshi Imai, Motomu Shimaoka
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Journal Title
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: 511
Pages: 312-317
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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