2020 Fiscal Year Research-status Report
「拍動流補助循環」の重症呼吸不全治療に対する効果 -定常流補助と比較する-
Project/Area Number |
19K09407
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Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
伊藤 英史 日本文理大学, 工学部, 教授 (50711462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市場 晋吾 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30284102)
岡原 重幸 純真学園大学, 医療工学科, 准教授 (50771185)
小畑 秀明 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (60437118)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 救急医学 / 集中治療医学 / 呼吸不全 / 体外循環 / 補助循環 / ECMO |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「人工肺と血液ポンプを用いた体外循環回路による治療」(Extracorporeal Membrane Oxygenation: ECMO)における拍動流補助循環法による重症呼吸不全の肺機能改善効果を明らかにする。重症呼吸不全に対するECMO治療は未だ定常流ECMOが主流で、生体の自然な生理的拍動流による肺循環とは全く異なる環境で循環が維持されている。生体と同様の拍動が得られる拍動流ECMOによる治療効果についてはこれまで十分な学術的成果は認められていない。本研究では、重症呼吸不全に対する新たな治療法の一つとして選択されることが期待される。 2019年4月から7月には、純真学園大学内にてオーバーフロー式模擬循環回路によるIn-Vitro試験(2019年4-7月)を実施した。小動物実験前の予備実験の位置付けで、肺血管抵抗変化に対する拍動流ECMO装置の応答性について、圧ー流量曲線を描いて検証した。その結果を受けて、2019年8月から2021年3月には岡山理科大学内動物実験室にて重症呼吸不全モデルの小動物を用いた拍動流ECMOの肺機能改善効果の検証を実施した。具体的には、定常流ECMO群の肺機能改善効果の検証(2019年8月-2020年3月)を実施し、これまでに2例が実施済みである。しかしながら、追加の拍動流群の実験が新型コロナウイルによる緊急事態宣言等による動物実験の中断を余儀なくされている。2021年度の社会状況を鑑みながら、残りの拍動流群の動物実験を継続していく予定である。両群のデータが揃い次第、定常流ECMO群と拍動流ECMOによる重症呼吸不全の改善効果について比較検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症拡大による緊急事態宣言発令により、感染拡大予防の観点から2020年度は予定していた小動物実験が不可能であった。2021年度の社会状況を鑑みながら、小動物実験を継続していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に予定していた小動物実験が新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言等により実施できていない状況にある。2021年度も引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大予防を優先し、社会状況を鑑みながら、小動物実験を継続していく。また別に、水系粘性実験のための新しいオーバーフロー式模擬回路も併せて制作していく。これまでの成果については論文等にて引き続き発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染の世界的な蔓延の影響により、国際学会の中止(オンラインに変更)と予定していた動物実験が不可能であったために、動物実験と国際学会参加に必要な予算を計上していたが使用しなかった。次年度使用額分は、社会状況を鑑みながら、そのまま動物実験と国際学会への参加と論文執筆に充当する。
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Research Products
(8 results)