2020 Fiscal Year Research-status Report
Development and Evaluation of a Simulation-based Training Program on the Management of Globally Threatening Infectious Disease Emergencies for Primary Care Providers
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19K09409
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Research Institution | Japanese Red Cross Wakayama Medical Center |
Principal Investigator |
久保 健児 日本赤十字社和歌山医療センター(臨床研究センター), 感染症内科部, 副部長 (30814967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 謙一郎 日本赤十字社和歌山医療センター(臨床研究センター), 感染症内科部, 医師 (20816459)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 国際感染症 / 薬剤耐性(AMR) / 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) / 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「外来で見逃しやすい国際的に脅威となる感染症に関する、非感染症専門医のための初期診療トレーニングコース」を開発し、有用性を評価することである。3年間の研究期間のうち、最初の2年で学習者のニーズ調査、個別目標設定から開始し、教材開発と評価表作成に時間をかけた上で、当センター救急外来医療者を対象にパイロットコースを実施する予定としていた。初年次は、3年間の方向性を決めるために、「プログラム開発に関する計画立案」に関する関係者会議を実施し、ここで、プログラム実施対象者、プログラム作成方法、シナリオ作成方法等について方向性を決定した。また、ニーズ調査および個別目標設定を行うために、国際的に脅威となる感染症の1つとしてAMR(薬剤耐性)に関する研修プログラムに参加し、これらを踏まえて、代表的なシナリオ(案)を作成した。初年次の終わり(2020年2月)には、研修コースのプロトタイプを実施しニーズ調査・個別目標設定を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症が発生したため、同研修コースの開催は延期せざるを得なくなった。新型コロナウイルス感染症はパンデミックに至ったため世界的に渡航制限が継続される事態となり、国際的に脅威となる感染症を取り巻く状況とニーズが大幅に変わったことから、本研究計画の軌道修正も必要になった。 そこで、2年次としては (1) 救急初期診療における新型コロナウイルス感染症の影響、および新型コロナウイルス感染症を含む感染症疫学と感染症診療に関する情報について学会発表・書籍等から収集しニーズの見直しを行った。 (2) 救急初期診療における感染症トリアージの新たな方策を検討し、実地トレーニングを行い実施した。 これらを踏まえて、多職種・地域のネットワークで連携しつつ、トレーニングすべき初期診療の内容について検討し成果を報告する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年に入り新型コロナウイルス感染症が発生・拡大したため、初年度の最後に予定していた研修コースのプロトタイプの実施計画(2000年2月)は、延期および計画見直しを余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年次の終わりから2年次にかけて、新たな感染症として新型コロナウイルス感染症が出現しパンデミックになったため、2年目に見直しを行った結果、当初念頭においていた輸入感染症の輸入は抑制されていることがわかった。そして、今後の脅威としては、新型コロナウイルス感染症等の感染対策を要する感染症と、敗血症や薬剤耐性菌といった既存の感染症が問題になると考えられた。
そこで、本研究では、国際的に脅威となる感染症として、新型コロナウイルス感染症、敗血症、薬剤耐性菌を主たる対象とすることした。新たな感染症トリアージの方策を実地で実施しながら、多職種・地域のネットワークで連携しつつ、トレーニングすべき初期診療の内容について検討し成果を報告する予定としている。
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