2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K09411
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
牧野 洋 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10397408)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤破裂抑制 / マウス脳動脈瘤モデル / 歯髄幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳動脈瘤の破裂が最大の原因であるくも膜下出血は、1/3の患者が死亡、社会復帰率1/3という重篤な疾患である。近年画像診断技術の向上に伴い、未破裂脳動脈瘤が脳ドックなどで発見されることが増えてきたが、治療においては開頭クリッピング術や、コイリングによる塞栓術などの手術療法が主体であり、より低侵襲な薬物による脳動脈瘤治療が待たれているが、なかなか進歩が見られない。脳動脈瘤の薬理学的治療研究が進まない理由の一つに、良い動物モデルが存在しないことがあった。我々はマウスにDeoxycorticosteron-acetate (DOCA)投与と片腎摘出及び塩分負荷で高血圧を誘導し、エラスターゼ脳槽投与で脳血管の弾性版に障害を与えることで、脳動脈瘤を発症するマウスモデルを開発し、そのモデルに各種薬剤を投与することで脳動脈瘤の破裂を予防する研究を行ってきた。 歯髄幹細胞を含めた間葉系幹細胞移植は、炎症反応の抑制、損傷組織におけるアポトーシスの抑制、血管新生促進、組織幹細胞の活性化、免疫担当細胞機能の賦活などの効果があることが知られている。我々は過去に炎症を抑制することが脳動脈瘤破裂を予防することを明らかにしてきたので、歯髄幹細胞の投与に脳動脈瘤の破裂予防効果があるのではないかと考え、現在実験を進めてきた。 脳動脈瘤を誘導したマウスに対し、誘導後3日、7日で歯髄幹細胞の静脈内投与を行い、脳動脈瘤の破裂予防効果を調べた結果、脳動脈瘤発症予防効果を見ることができた。現在、そのメカニズムの解明を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
歯髄幹細胞の投与が脳動脈瘤の破裂予防効果を持つことは現象としてとらえることができたが、そのメカニズムの解明に手間取っている。 内容の詳細な記載は行えないが、様々な因子を考え、種々の実験を行っているが、結果を得ることができていない。コロナ禍により実験が思うようにはかどらないことも、遅れているとした理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
脳動脈瘤破裂のメカニズムの解明には多大な労力が必要となる、近道はないため今後も地道に実験を遂行していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍もあり、実験が思うように進まなかったため、繰越額が生じた。繰越額を、次年度の実験を遂行するために使用する予定である
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Research Products
(2 results)