2020 Fiscal Year Research-status Report
ビタミンD欠乏が脳動脈瘤の破裂に及ぼす影響とメカニズムの検討
Project/Area Number |
19K09412
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 興太 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (40751631)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳動脈瘤 / くも膜下出血 / ビタミンD / マウス実験モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
脳動脈瘤の破裂は社会復帰率が約3割という悲惨な結末を招くため、脳動脈瘤の病態解明を推進することは、喫緊の課題である。ビタミンDは筋骨格代謝、電解質調整において重要な役割を果たすが、その他にも多くの生理学的な役割を有し、免疫疾患、癌、糖尿病、血管病変など様々な慢性疾患と関連することが明らかとなってきた。我々は、ビタミンD欠乏が脳動脈瘤の破裂を増加させるという仮説をたて、先行実験でこれを明らかとした。本研究では、細胞特異的なビタミンD受 容体(VDR)欠損マウスをマウス脳動脈瘤モデルに応用し、ビタミンD欠乏が脳動脈瘤破裂に及ぼすメカニズムを検証し、脳動脈瘤の発生及び破裂予防法の開発を目指す。
今期は(I)血管内皮細胞特異的VDR欠損マウス(VDRf/f Tie2Cre+)、(II)血管平滑筋細胞特異的VDR欠損マウス(VDRf/f SM22Cre+)の各系統を用いた脳動脈瘤モデル実験を行い、いずれの脳血管細胞が脳動脈瘤の破裂増加に関与するかを調べた。同実験マウスよりウィリス動脈輪を摘出し、炎症性サイトカインの発現をRT-PCRで解析した。
ビタミンD欠損食の先行研究でビタミンD欠乏は脳動脈瘤の破裂率が増加することを示したが、これはオスのみの実験であった。上記の遺伝子改変マウス繁殖と並行して、メスによる実験も同様に行い性差による影響を検証した。エストロゲンの脳動脈瘤への保護効果も知れられているため、エストロゲンの影響の除去を目的とした卵巣摘出マウスでの実験も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今期は(I)血管内皮細胞特異的VDR欠損マウス(VDRf/f Tie2Cre+)、(II)血管平滑筋細胞特異的VDR欠損マウス(VDRf/f SM22Cre+)、(III)マクロファージ(を含む単球系)特異的VDR欠損マウスの各系統マウスを用いた脳動脈瘤モデル実験を行う予定であった。 (I)血管内皮細胞特異的VDR欠損マウス(VDRf/f Tie2Cre+)、(II)血管平滑筋細胞特異的VDR欠損マウス(VDRf/f SM22Cre+)の実験は計画通り遂行した。 残りの(III)マクロファージ(を含む単球系)特異的VDR欠損マウスが間も無く準備できているため、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今期は(I)血管内皮細胞特異的VDR欠損マウス(VDRf/f Tie2Cre+)、(II)血管平滑筋細胞特異的VDR欠損マウス(VDRf/f SM22Cre+)の各系統を用いた脳動脈瘤モデル実験、および炎症性サイトカインの発現をRT-PCRで解析を行った。 実験に必要な(III)マクロファージ(を含む単球系)特異的VDR欠損マウスが間も無く準備できるため、同様の実験を予定している。
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Causes of Carryover |
今期は(III)マクロファージ(を含 む単球系)特異的VDR欠損マウスを用いた実験を行っていないため、次年度に繰越分とした。
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Research Products
(1 results)