2019 Fiscal Year Research-status Report
Lung fibrosis suppression effect by hydrogen inhalation at ARDS subacute-chronic phase: Verification by model mouse
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19K09416
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
青景 聡之 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (30822358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 篤典 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40648169)
大澤 郁朗 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (30343586)
宮原 信明 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70335610)
石川 倫子 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40566121)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 水素 / 間質性肺炎 / 肺線維症 / ブレオマイシンモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
実験1:間質性肺炎モデルに対する水素ガスの急性期効果 C57BL6 8週齢♂ 32匹を右のように4群に分配した。(1) 間質性肺炎マウス→水素暴露:10匹 (2) 間質性肺炎マウス→水素なし:10匹 (3) SHAMコントロール→水素暴露:6匹 (4) SHAMコントロール→水素なし:6匹。間質性肺炎マウスは、1mg/kgブレオマイシン を気管内投与し作成した。水素暴露は、3.2%水素濃度ガスを1日6時間、連日投与した。対照の「水素なし」は水素を含まない人工空気とした。1週間飼育後に屠殺し、BALF採取、右肺は生化学分析用に採取、左肺は組織検査用とした。結果:BALF細胞数およびタンパク濃度は、水素なし群と比べ、水素群で少ない傾向にあった。mRNA分析結果は、TGFβ1、IL-6、フィブロネクチンの発現低下を認めた。肺組織では、水素群において、炎症細胞浸潤は認めるものの、肺間質の肥厚は抑制されており、間質における8OHdGおよびTGFβの発現も抑制されていた。本結果は、第9回日本分子状水素医学生物学会大会 (2019/9/1)「間質性肺炎急性期における間欠的・連日の水素吸入は肺間質の炎症と肥厚を抑制する」にて発表した。 実験2:間質性肺炎モデルに対する水素ガスの亜急性期効果 同様にマウス 18匹を右のように3群に分配した。(1) 間質性肺炎マウス→水素暴露:6匹 (2) 間質性肺炎マウス→水素なし:6匹 (3) SHAMコントロール:6匹 結果:mRNA分析では、フィブロネクチンおよびI型コラーゲンの発現抑制が認められ、線維組織を占める面積は水素投与群で抑制される傾向にあった(34% vs 39%, P<0.05)。本結果は、第47回日本集中治療医学会学術集会(2020/3/7)「急性肺傷害に対する治療開発-水素吸入療法の炎症・線維化の抑制効果:マウスを用いた検証」にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画通り進行している。実験仮説の水素の肺線維化抑制効果は傾向としてみられており、今年度も当初の予定通り実験を遂行する。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)実験1、実験2の結果の補強および再現性を確認するため、さらに実験動物数を増やして検証する。 (2)水素の肺線維化抑制効果のメカニズムを明らかにするため、すでに採取されているサンプルから酸化ストレスのシグナル伝達経路上の水素の作用点について解析をすすめる。 (3)肺炎慢性期の水素の効果を検証する。
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Causes of Carryover |
消耗品等について、予定していた額よりも安価に実施することができたこと、また、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、予定していた学会が中止となったため、残額が生じた。次年度、動物実験や解析のために消耗品等の支出にあてるとともに、学会等での成果発表に係る旅費に支出する予定である。
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