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2019 Fiscal Year Research-status Report

肺動脈平滑筋細胞内シグナルに着目したARDSによる肺循環障害の新規治療標的の探索

Research Project

Project/Area Number 19K09422
Research InstitutionYokohama City University

Principal Investigator

金丸 栄樹  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (50793494)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 菅原 陽  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (00596413)
東條 健太郎  横浜市立大学, 医学部, 講師 (80737552)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords肺高血圧 / ARDS
Outline of Annual Research Achievements

本年度はARDSモデルラットを構築し,個体レベルでの右心系の評価を行った.ARDSモデルラットはLPSの気管内投与により作成した.LPSを気管内投与したラットでは気管支肺胞洗浄液中の好中球数,MPO濃度,タンパク濃度の増加が見られ,また24-48時間後には人工呼吸下に測定した動脈血酸素分圧が低下していたことから,モデルが構築できたことを確かめることができた.これらのラットにおける右室圧を測定したところ,LPS24,48時間後には右室圧が増加する傾向が見られた.一方でLPS投与4時間後の段階では右室圧に明らかな変化は見られなかった.
さらに,肺血管機能の障害について評価を行うためにこれらの動物モデルに対して分離肺換気を行い,その際の右室圧,動脈血酸素分圧を測定することで低酸素に対する反応性を評価した.LPS気管内投与24時間後のARDSモデルラットでは,健常ラットと同じように分離肺換気後の右室圧の増加,動脈血酸素分圧の改善が見られ,低酸素性肺血管収縮の機構は障害されていないと考えられた.一方で,ラットに対してLPSの経静脈投与を行った場合には,ベースラインの右室圧は増加するものの,分離肺換気に伴う右室圧の増加や動脈血酸素分圧の改善が乏しくなる傾向がみられ,低酸素聖杯血管収縮機構が障害されている可能性が示唆された.
以上の結果から,肺内に限局する炎症では肺高血圧が生じるものの,低酸素に対する肺血管の反応性は保たれるものの,血管内に炎症が波及することで,低酸素に対する反応性が障害される可能性があると考えられた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究のために割くエフォートが当初の予定よりも少なくなってしまったため,動物個体レベルでの右室圧,肺血管機能評価を行うにとどまってしまった.また,充分な数の実験の繰り返しができていないため,確定的な結論に至ることができなかった.

Strategy for Future Research Activity

動物モデルの構築及び,ベースラインでの肺血管抵抗の増加のみならず,無気肺に伴う肺胞低酸素に対する反応性の変化がみられることが示唆された.これを踏まえ,背景機序についての研究を進めるとともに,肺血管抵抗の増加や低酸素聖杯血管収縮の障害がARDSの病態にどのような影響を与えるのかについて引き続き研究を進める予定である.

Causes of Carryover

実験に割くエフォートが当初の予定より減少し,肺血管の機能評価が遅れたために次年度使用額が生じた.次年度使用額は実験動物購入費に充てる予定である.

URL: 

Published: 2021-01-27  

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