2020 Fiscal Year Research-status Report
Study for the mechanism of brain dysfunction in patient with post intensive care syndrome after sepsis
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19K09425
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
木下 浩作 日本大学, 医学部, 教授 (90260968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 智志 日本大学, 医学部, 助手 (10811581) [Withdrawn]
山口 順子 日本大学, 医学部, 准教授 (50570511)
千葉 宣孝 日本大学, 医学部, 助教 (30535175)
杉田 篤紀 日本大学, 医学部, 助教 (70599745)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳萎縮 / 敗血症 / 二次性脳損傷 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、敗血症後の脳萎縮と脳室拡大を、頭部CT画像でのBicaudate ratio(BCR)、Evans index(EI)、Volumetry(Vo)を用いて評価した。ICU入室後に経時的に脳萎縮や脳室拡大が発生していることを明らかにし、これらの症例の臨床的意義、特に神経学的転帰不良との相関性について明らかにする。 研究期間中にエントリーされた112症例のうち2点で頭部CTを施行した症例は85例であった。年齢は平均値79±11.9歳、女性36例(42.4%)で、入院時のSOFAスコアは7(6-10)、敗血症性ショックは26例(31%)であった。退院時もしくは転院時の神経学的転帰は、GOS-Eは3(3-4)、modified Rankin Scale(mRS)は5(4-5)であった。頭部CTでの2点間の比較ではBCR(p < 0.0001)、EI(p = 0.0011)が有意に増加を示し、Vo(p < 0.0001)は有意に減少を示し、脳の各部位で脳萎縮/脳室拡大があることが示された。また、Vo変化率とICU滞在日数(ρ = 0.2178, P = 0.0453)、Vo変化率と気管挿管日数(ρ = 0.2252, P = 0.0382)に有意な相関関係を認めた。脳萎縮/脳室拡大を認めた症例でBCR変化率、EI変化率、Vo変化率とGOS-E、mRSのそれぞれの相関関係を検討した結果、Vo変化率とGOS-E(ρ = -0.2756, P = 0.0240)、Vo変化率とmRS(ρ = 0.3137, P = 0.0097)に有意な相関関係を認めた。 今後は、入院後のサイトカインなどの経時的なバイオマーカおよび血液生化学データ結果の解析を行い、特に血糖値の日内変動との関係性を明らかにして本病態解明を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に組み入れた症例は、研究計画書に従い末梢血を採血し検体保存している。現在、Bioplex Bio-Plex Proアッセイを用いてIL-1β, IL-2, IL-4, IL-5,IL-6, IL-7, IL-8, IL-10, IL-12 (70), IL-13, IL-17, G-CSF, GM-CSF, IFN-γ, MCP-1 (MCAF), MIP-1β, TNF-αを測定するために前処理が終了して、全てのバイオマーカの測定準備が終了した。既にELISA法で実施するHMGB1, NSEの測定は終了している。今年度は、入院後2点間で頭部CTが施行できた85例のうち、脳萎縮/脳室拡大を認めた症例でのサイトカインとの関係性について統計学的検討が行われ、当初の研究計画通りに進展している。また、これらの症例で、入院後の臨床経過が脳萎縮/脳室拡大と関係しているかどうかを検索する目的で、経時的なSOFAスコア、酸素化傷害(P/F比)程度、DICスコア、血糖値日内変動などの臨床生化学的データの解析(既にデータは解析用に収集している)を開始する。特に、初日、第1病日、第3病日、第7病日の各データと脳萎縮/脳室拡大との関係性に着目して、統計学的検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
役割分担も研究代表者は、本研究の統括・計画および統計処理を行い、患者組み入れ・同意取得および検体採取は分担研究者が行った。専属研究補助員は、残余検体での追加測定を行っている。今年度は、組み入れ症例から得られた臨床データの解析業務が中心であり、今後は、分担者の業務変更などによる研究代表者の統計処理の強化を検討している。研究代表者および分担研究者、専属研究補助員は、同じ部署で勤務しており、常時併設の研究室で研究内容と研究結果についての討議を常に行っている。
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Research Products
(1 results)