2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study for the mechanism of brain dysfunction in patient with post intensive care syndrome after sepsis
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19K09425
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
木下 浩作 日本大学, 医学部, 教授 (90260968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 智志 日本大学, 医学部, 助手 (10811581) [Withdrawn]
山口 順子 日本大学, 医学部, 准教授 (50570511)
千葉 宣孝 日本大学, 医学部, 専修指導医 (30535175)
杉田 篤紀 日本大学, 医学部, 助教 (70599745)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 敗血症 / 脳萎縮 / 転帰 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症患者日常生活への社会復帰に影響する急性期臨床的因子についての報告はない。敗血症では急性期に脳器質的異常特に脳容積の変化に注目し、転帰と集中治療における各種管理指標とバイオマーカーとの関係性を明らかにすることを検討した。 2回の頭部CTでの脳容積減少と脳室拡大の有無について比較検討しGlasgow outcome scale extended score(GOS-E)、modified Rankin Scale(mRS)との関連性を調べた。脳容積減少/脳室拡大はBicaudate ratio(BCR)、Evans index(EI)、Volumetry(Vo)の変化率で計算した。 本研究にエントリーした症例は112例で2点頭部CTを施行した症例は85例であった。年齢は79±11.9歳、入院時APACHEⅡスコアは24(20-29)、SOFAスコアは7(6-10)であった。死亡率は8.2%で、神経学的転帰はGOS-Eは3(3-4)、mRSは5(4-5)であった。 2点間のCT比較でBCRが57/85例(67.1%, p< 0.0001)、EIが47/85例(55.3%, p= 0.0011)で増加を示し、Voが67/85例(78.8%, p< 0.0001)で減少を示した(減少率0.7~5.6%)。脳容積減少/脳室拡大を認めた症例でVo変化率とGOS-E(ρ= -0.2756, P= 0.0240)、Vo変化率とmRS(ρ= 0.3137, P= 0.0097)に有意な相関関係を認めた。サイトカインなどのバイオマーカーとの関係性は見いだせなかった。 敗血症患者では、約55-79%に急性期脳容積減少/脳室拡大をきたした。この脳容積減少/脳室拡大は、神経学的転帰不良と関係している。今後の研究により、その原因と対策を明らかにすることで、敗血症患者の長期的転帰を改善する一助になる。
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