2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel screening technique for the rapid identification of poisoning cause for the emergency and critical care of the natural toxin poisoning cases
Project/Area Number |
19K09428
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
太田 彦人 科学警察研究所, 法科学第三部, 室長 (40392261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮口 一 科学警察研究所, 法科学第三部, 室長 (10370884)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自然毒 / 中毒 / 高感度LC-MS/MS一斉検出 / 毒草 / 毒キノコ / 毒魚 / QuEChERS / 限外ろ過 |
Outline of Annual Research Achievements |
4年度目となる2022年度は、現在保有する毒草、毒キノコ、毒魚等の自然毒成分(塩基性(126種)・中性(119種)・酸性(15種)・1価及び2価カチオン(6種)・両性イオン(36種)系自然毒、計302種)中、前年度までに80点ほどを用いて検討した全血マイクロQuEChERS-LC-MS/MS分析による一斉分析について、最終的に水溶性成分の回収率不良が解決できなかったことから、液-液抽出をベースとするQuEChERS法ではなく、より化合物選択性が低くユニバーサル前処理法に適すると考えられる限外ろ過法を用いた迅速前処理法について、全化合物302種を用いて前処理法の検討を行った。市販限外ろ過カートリッジとしてPES膜型、Hydrosart膜型及びセルロース膜型の3種類を用いた全血中自然毒の限外ろ過LC-MS/MS分析について検討した結果、PES膜型、Hydrosart膜型については全血中自然毒302種中100種類程度が吸着等により検出不能であったのに対し、セルロース膜型については302種中290種程度が検出可能であった。実際の中毒時血中濃度を考慮し、自然毒302種中250種を中毒原因スクリーニング分析対象として選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は実際に世界中の全自然毒の収集、超高感度LC-MS/MSを用いた一斉自動検出技術の構築、生体試料等からの全自然毒の一斉抽出を行うためのユニバーサル抽出法の開発の3段階で構成されるが、これらはいずれも、実験室での抽出実験及びLC-MS/MS実機を直接操作しての膨大な分析実験が必須である。しかし2022年度は前年度に引き続き新型コロナの影響で出勤が抑制され、平日のかなりの日数自宅でのテレワーク勤務を余儀なくされ、自宅ではデータ解析やモニタ用イオンの構造解析程度しかできず実験時間が大幅に削減されたため、予定していた各種ユニバーサル抽出法の検討に大きな遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点までで全血中自然毒約300種の分析前処理法として最も良好であったセルロース膜限外ろ過については、負荷可能な試料量が最大で100uLであるという制限がある。検出感度のさらなる向上を目指すため、より多くの試料量の負荷が可能な、市販の除タンパク・脱脂カートリッジを用いた全血中自然毒約300種の迅速前処理法も合わせて検討し、総合的に最も多くの自然毒を抽出・検出できる方法を見いだし、先に開発した高感度一斉同時分析法と合わせた中毒原因特定技術の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響により、物品購入に遅れが生じたため。
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Research Products
(1 results)