2023 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of additional Vitamin C therapy for the suppression of oxidative stress from patients with severe traumatic injury
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19K09437
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
竹中 隆一 大分大学, 医学部, 助教 (90457606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重光 修 大分大学, 医学部, 客員研究員 (40215968)
松本 重清 大分大学, 医学部, 准教授 (90274761)
濡木 真一 大分大学, 医学部, 講師 (50423702)
安部 隆三 大分大学, 医学部, 教授 (30375795)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / ビタミンC / 電子スピン共鳴装置 / 重症外傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
外傷患者の酸化ストレスやビタミンC動態を把握し効果的なビタミンC補充療法を確立するため、電子スピン共鳴装置(Electron Spin Resonance apparatus : ESR)を用いてリアルタイムにビタミンCレベルを把握し、各種重症度との関連を明らかにすることを目的とした。救急患者103名(うち外傷患者69名)と健常ボランティア15名を対象とし、血清にDimethyl Sulfoxide(DMSO)を添加した後、ESRを用いて、ビタミンCレベルを示すビタミンCラジカル値(VCR/DMSO値)をリアルタイムで測定した。その結果、血清VCR/DMSO値は、重症救急患者では健常者よりも有意に低く、特に重症外傷群と心停止/心停止後症候群で低値であった。時系列では通常の栄養管理のもとでは少なくとも第6病日まで低値が遷延していた。入院時にはVCR/DMSO値と各重症度スコアに相関はみられなかったが、入院後2~6日目のSOFAスコアとは負の相関が見られた。外傷患者では、解剖学的重症度とビタミンCは第2病日、第3病日に負の相関がみられた。このことから外傷患者においてビタミンCは搬入時から約1週間低値が遷延しており、この低下は臓器障害の程度と関係していることが示唆された。一方でビタミンC濃度は患者背景などでばらつきがおおきくみられ、ビタミンCの過剰投与も害となる可能性も報告されている。重症外傷をはじめとする重症救急患者において、急性期に適切なタイミングで適切な量のビタミンCを補充することが予後改善に繋がる可能性が示唆された。これを実現するためのそのためにはビタミンC濃度をリアルタイムに把握する必要があり、本法が有用であることが示された。本研究期間内にCOVID19パンデミックもあり介入研究によるビタミンC補充の効果までは確認できていないため今後検討していく。
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