2020 Fiscal Year Research-status Report
一酸化炭素(CO)中毒に対する新しい治療法としての光照射
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19K09444
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
平 泰彦 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00154724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤谷 茂樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (50465457)
鹿志村 剛 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10788590)
吉田 徹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70265601)
森澤 健一郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (60410130)
内藤 貴基 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (30814628)
北野 夕佳 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (90621392)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 一酸化炭素中毒 / CO-Hb / 光照射 / CO解離 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 実験モデルの開発 早稲田大学大学院先進理工学研究科の岩崎清隆教授が開発したヒト血液循環回路(シミュレーションモデル)の本研究への応用を企図した。動物を犠牲死させることなくシミュレーションモデルで繰り返し実験が可能である新しい実験系の確立を目指している。
2. 照射する光の種類と照射方法 電気エネルギーから光への変換効率に優れるレーザー光を選択した。また、レーザー光は単色性(波長を決定できる)という特徴をもつ。この性質を利用して、HbCOからのCO解離効率の高い波長を同定することを計画した。照射方法としてa. 非侵襲的体外からの照射法、b. 光照射血管内カテーテルからの照射がある。どちらの研究にも応用可能なレーザー光カテーテル(ユニタック社、試作品)を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1.新たな実験モデル(ヒト血液循環回路モデル、シミュレーショモデル) 2020年2月来のCOVID19感染症の拡大、および行動自粛により、早稲田大学との共同研究であるヒト循環血液回路シミュレーションモデルを用いた光照射によるCO解離の実験が一時中断されている。COVID19による行動自粛規制が解除され次第、再開したい。 コロナ禍による行動自粛体制期間中、自施設で可能な研究テーマとして、下記項目を設定して研究を継続している。 2.照射する光の種類の選択 電気エネルギーから光エネルギーへの変換効率が高く、熱エネルギー発生を極力抑制できる光として、レーザー光を選んだ。しかしカテーテルの発光部先端に、熱が原因と推測される血液凝固塊の発生を認めたため、さらに熱発生を抑えるべくレーザー出力の調整やパルス照射を行うにより熱発生を抑制を図るなどの改良を加えて研究している。 照射光の波長(λ)によるCO解離効率の検討。単色性(波長の決定が可能)というレーザー光の特徴を利用して、照射光の波長:λ=450nmとλ=525nmとでCO解離効率を比較したところ、波長450nmのレーザー光が525nmに比べてCO解離効率が高いことが分かった。λ450nmはHbの吸光度が最も高い波長帯領域である。この実験結果を受けて、その理論的根拠を考察するとともに、さらにCO解離効率の高い方法を模索する。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍による制限が緩和されたら、早稲田岩崎教授らとヒト循環血液回路モデルによるHbCOの光照射によるCO解離の研究を再開する。 また、ファイバーによる血液内照射の際に発生する熱を抑制しながら、さらにCO解離効率に優れる照射方法を模索する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による行動自粛体制により早稲田大学での実験が進まなかったことが原因と考えられる。 次年度はレーザー光を使用してより臨床応用に向けた実験を進める。また、実験結果について学会発表や論文の投稿を行う。
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