2021 Fiscal Year Research-status Report
Effects of intracranial hypertension on Glymphatic pathway
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19K09458
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岡 史朗 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (20420531)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Glymphatic pathway / intracranial pressure |
Outline of Annual Research Achievements |
(方法)ウレタン麻酔下、雄性、週齢8-10週のC57BL/6マウスを用いた。脳圧調整のため大槽にカニュレーションし、脳圧正常群(10 mmHg)と上昇群(50 mmHg)を作製した。脳圧調整開始と同時にマウス脳実質内に0.5%の赤色蛍光色素OA-555を20 nl注入した。注入開始から30分後に脳圧調整を終了した。さらに脳圧調整終了から30分後にマウス脳を4%ホルムアルデヒドで灌流固定した。マウス脳組織標本はクリオスタットを用いてスライスした後、検鏡した。解析ソフトを用いて赤色蛍光色素の拡散状況を自動的に検出した。蛍光色素の拡散の度合いはフェレ径(水平)を指標にした。 (結果)脳圧正常群では蛍光色素のフェレ径(水平)は610 ± 62 μmであったのに対し, ICP上昇群では333 ± 34 μmに減少した。 (結論)脳圧上昇によってglymphatic pathwayの拡散過程が障害されることが示唆された。脳圧上昇による神経障害の機序について新たな知見をえることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症や所属研究室の人員の影響などで臨床業務に時間が割かれ、十分な研究時間を確保することができなかったため、当初の予定より研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
過去の研究により脳圧の上昇はglymphatic pathwayの灌流障害をきたすことをある程度示すことができた。そのため今後は実験動物数を増やしそれらの結果を統合し、学会および論文発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による学会参加が少なかったこと、研究の遅滞などによる支出の減少により予定よりも使用額が少なかったため。令和4年度はこれまで得られた結果をもとに、個体数を増やし結果を統合し成果として学会発表や論文作成を行う。
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