2019 Fiscal Year Research-status Report
小児タオパチーに伴うてんかん原性病変におけるてんかん原性獲得機序の解明
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19K09460
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
花谷 亮典 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (60304424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂元 顕久 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30404479)
細山 浩史 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70593648)
吉本 幸司 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70444784)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | てんかん原性 / mTOR / Tauタンパク / ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
mTORの発現・Tauの発現,ミクログリア活性化状態について,免疫組織化学による測定を行い,以下の様な結果が得られている. Infantile tauopathiesに伴う頭蓋内病変(限局性皮質形成異常症、結節性硬化症、片側巨脳症、神経節細胞腫)を伴う難治性てんかん症例では,てんかん原性領域と考えられる皮質病変部において,免疫組織染色上でミクログリアの活性化が認められた.また,同部位では炎症を示すHGMB-1の発現や,dysmorphic neuronの存在が顕著であった.特に,手術遂行の上で,切除範囲にてんかん原性・非てんかん原性の2つの結節が含まれた結節性硬化症の症例において,てんかん原性結節と非てんかん原性結節との比較を行うことができ,そこで,てんかん原性結節ではHGMB-1の発現やdysmorphic neuronの存在がより顕著であることが確認できた.一方で,Tau蛋白とmTORについては,免疫組織染色上ではその発現に症例による差が見られた. 今後,PCRを用いた評価との比較により,症例によるTau蛋白やmTORの発現の差が,免疫組織染色手法による検出力の問題かどうかを検討する.さらに, translocator proteinやTLRファミリー,ミクログリア由来のサイトカイン発現状況と対比し,これらの発現とTau蛋白やmTOR発現との関連を検討することにより,Tau蛋白やmTORの発現がてんかん原性領域の局所変化に与える影響を確認できると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PCR測定への着手が遅れているため,本年度中に導入する.
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Strategy for Future Research Activity |
1.mTORの発現・Tauの発現やリン酸化について,PCRによる測定を進める. 2.PCRを用いた測定と免疫組織所見との対比を行う. 3.TLRファミリーやミクログリア由来のサイトカインについて測定を進め,mTOR・Tauの発現との関連を確認する.
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