2019 Fiscal Year Research-status Report
スーパーエンハンサー形成が誘導する悪性脳腫瘍の異常クロマチンリモデリングの解明
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19K09478
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大岡 史治 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (10725724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏目 敦至 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30362255)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳腫瘍のエピゲノム異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではin vitro、in vivo実験を併用して、IDH 野生型悪性脳腫瘍の腫瘍形成過程におけるスーパーエンハンサー領域を経時的に解析し、治療標的としての有用性を評価することが目標である。当該年度はMADMマウスから回収したGFP陽性細胞を用いたChIP-Seq、RNA-Seq解析の条件検討を行った。MADMマウスの腫瘍形成前生後8日、60日のマウスと腫瘍形成後の生後120日のマウスからGFP陽性細胞を回収し、ホルマリン固定した後に抗H3K27ac抗体、抗H3K27me3抗体を用いたクロマチン沈降法(ChIP法)を行う手法を確立した。また同様にRNAの回収も行った。バイオアナライザーにて回収したRNAのクオリティー評価を行なった後にサンプル調整を行い、次世代シークエンサーにて解析しRPKM (Read Per Kilobase Million)を算出して発現量を解析した。これらの実験から得られたRPKMについてGene Ontology(GO)解析やGene Set Enrichment Analysis (GSEA)解析を行う準備を進めた。またin vitro実験ではEZH2阻害剤であるEPZ6438を細胞株に投与6日後に細胞を回収してウエスタンブロッティング法にてH3K27me3修飾が抑制されていることを確認した。同様にH3K27ac修飾の発現解析も行う予定である。EZH2阻害剤投与後にH3K27me3, H3K27acの修飾遺伝子領域をChIP-Seqにて解析し、 H3K27me3修飾がH3K27ac修飾に置き換わった部位を中心に解析し、それぞれの変化について解析をするための準備を進めている。MADM腫瘍細胞株にEPZ6438とスーパーエンハンサーの阻害作用を持つJQ1を投与するin vitro実験の準備も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在in vitro, in vivo実験ともに当初の予定に近いペースで進めることができている。今後は次世代シークエンスを用いた解析を進め、その解析系の確立も進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在樹立しているin vitro, in vivo実験系を用いて、より詳細に解析をすすめる予定である。in vitro, in vivoともにJQ1投与実験を進める。またスーパーエンハンサー解析のためには次世代シークエンス解析の結果を詳細に解析する技術が必要になるので、その解析法の確立の準備も進めていく予定である。
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[Journal Article] H3F3A mutant allele specific imbalance in an aggressive subtype of diffuse midline glioma, H3 K27M-mutant.2020
Author(s)
Maeda S, Ohka F, Okuno Y, Aoki K, Motomura K, Takeuchi K, Kusakari H, Yanagisawa N, Sato S, Yamaguchi J, Tanahashi K, Hirano M, Kato A, Shimizu H, Kitano Y, Yamazaki S, Yamashita S, Takeshima H, Shinjo K, Kondo Y, Wakabayashi T, Natsume A.
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Journal Title
Acta Neuropathologica Communications
Volume: 8
Pages: 8-19
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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