2021 Fiscal Year Research-status Report
スーパーエンハンサー形成が誘導する悪性脳腫瘍の異常クロマチンリモデリングの解明
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19K09478
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大岡 史治 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (10725724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏目 敦至 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30362255)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / エピゲノム異常 / スーパーエンハンサー異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では悪性脳腫瘍の形成過程において、経時的にスーパーエンハンサー領域と抑制型ヒストン修飾領域の変化を解析し、EZH2とスーパーエンハンサーのクロストークメカニズムを解明することを目的としている。MADMマウスは本研究で用いる脳腫瘍自然発生マウスモデルであるが、数種類の遺伝子型のマウスモデルを組み合わせる必要があるが、これまでにMADMマウスを安定的に実験に使用できる状態を作り上げており、MADMマウスの脳からFACSセルソーティングにてGFP陽性細胞を回収し解析を行っている。今年度はGFP陽性細胞に対する抗H3K27ac抗体を用いてクロマチン沈降法(ChIP法)の条件検討を終えることができ、ソーティングした細胞のChIP法後のDNAを用いて次世代シークエンス解析を行った。現在得られた次世代シークエンスデータの解析を進めており、適切に解析を行うための条件検討を行いながら、スーパーエンハンサー領域の同定を進めている。また、EZH2阻害剤投与後のヒストン修飾変化の解析実験については、現在予備実験を行いながら、その条件検討中である。生後90日のMADMマウスのMRIを撮影し腫瘍を同定したのちにいくつかの条件で投薬実験を進めており、EPZ6438によって有意に腫瘍の増大抑制効果を認めることを同定し現在再現性を確認している。現在EPZ6438投与後のマウス脳を解析しており、投与後の遺伝子発現変化、ヒストン修飾変化等の解析を終えて、今後MADMマウスに対するJQ1投与、その後の検体解析等も検討している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験の条件設定に想定以上の時間を要したこと、試薬の納期遅れ等の影響もわずかながらにあり、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実験のための試薬、動物、実験環境は整いつつあるので、このまま予備実験や解析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
試薬納期の遅延もあり、購入予定のものが未購入となっているものもあるため
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