2021 Fiscal Year Annual Research Report
Prognosis prediction of space-occupying lesions in the brain using a novel perfusion mapping with a neural network classifier
Project/Area Number |
19K09480
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
麻生 俊彦 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 副チームリーダー (50397543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 智弘 京都大学, 医学研究科, 助教 (10379034)
菊池 隆幸 京都大学, 医学研究科, 助教 (40625084)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / MRI / 血流ラグマップ / 安静時fMRI / 脳動静脈奇形 / ApoE遺伝子 / アルツハイマー病 |
Outline of Annual Research Achievements |
・MRIによる造影なしの脳血流マッピング法を改良しつつ、その対象となる疾患を広げ、特に占拠性病変の内部の血流を調査することが本年度の目標であった。しかし新型コロナウィルスの流行による影響で、大学病院での症例データの収集が遅れ、ごく最近ようやく占拠性病変の症例データが13例、収集できた。 ・加齢変化および正常圧水頭症などで血流タイミングの異常が見つかった深部静脈のテリトリーは、アルツハイマー病で早期から変性がみられるエリアと重なることから、アルツハイマー病の巨大画像データベースであるUS-ADNIのデータを解析した。結果としてアルツハイマー病の主効果は有意であったが、「深部と表在静脈の時間差」には有意な効果が検出されず、加齢変化とアルツハイマー病の変化には質的な違いがある可能性が示唆された。 ・さらに、アポリポタンパク遺伝子型との関連を精査したところ、ApoE2遺伝子を保有することの主効果が有意に認められ、それは血流タイミングの老化の促進を示唆した。本遺伝子は近年、超高齢者が多く保有するなど、アンチエイジングの効果が強調される傾向にある。しかし本来は脳アミロイドアンギオパチーと結びつくなど、ワイルドタイプであるApoE3の欠乏という側面から疾患関連とされてきた。今回の結果は加齢変化のメカニズムの解明への手がかりとなるだけでなく、生前に診断が難しいアミロイドアンギオパチーのバイオマーカーとしての応用など、さまざまな可能性を持つ成果と考える。以上のことを学会で報告した。 ・予定通り、本手法の活用を広げるためgithubサイトにて配布しているコードを、Human Connectome ProjectのfMRI解析パイプラインのノイズ除去に適した形にアップデートした。血液灌流に由来する相関構造を除去することで機能的結合性MRIの精度を高めることを提案していく予定である。
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