2019 Fiscal Year Research-status Report
Correlation between molecular imaging and pathological and genetic analysis in brain tumors
Project/Area Number |
19K09483
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
三宅 啓介 香川大学, 医学部, 准教授 (00398033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 真樹 香川大学, 医学部, 助教 (40457346) [Withdrawn]
田宮 隆 香川大学, 医学部, 教授 (50252953)
畠山 哲宗 香川大学, 医学部, 助教 (90602805)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PET / FDG / メチオニン / FLT / FMISO / 神経膠腫 / MRI / ベバシズマブ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究課題は、MRI画像と代謝・機能診断を中心とした4つのPETトレーサを用いたPET検査を併用することにより、「画像検査のみで、どこまで確定診断ができるのか」である。 最初に2016年のWHO分類の改訂による神経膠腫の分類では、oligodendrogliomaとanaplastic astrocytoma IDH-mutation、anaplastic astrocytoma IDH-wild typeとanaplastic oligodendroglioma、glioblastoma IDH-wild typeとIDH-mutationでは、鑑別できなかったが、そのほかの神経膠腫のsubtypeでは4つのPETトレーサを用いることにより鑑別を行うことができた。 次に神経膠腫と転移性脳腫瘍、中枢原発悪性リンパ腫、髄膜腫、脱髄性疾患との鑑別においては、神経膠腫と転移性脳腫瘍では、FDGおよびメチオニンPET検査を用いることで鑑別を行うことができた。神経膠腫と中枢原発悪性リンパ腫では、FDGとFMISOを用いることで鑑別ができた。神経膠腫と髄膜腫ではFDGとメチオニン、神経膠腫と脱髄性疾患ではFDG、FLT、FMISOを用いることで鑑別を行うことができた。 「画像検査より治療予後の予測ができるのか」という点については、glioblastomaに対するベバシズマブ治療において、治療前後におけるFMISOの集積の変化率が低下した症例では治療効果が良好であり、FMISOの集積の変化率は治療効果の予測に有用であると考えらえた。 その他、手術による腫瘍摘出後の治療効果予測やその他の抗がん剤による治療効果予測に対してのPET検査の有用性については検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
4つのPETトレーサを用いたPET検査による脳腫瘍の診断は、順調に症例を重ね、研究が進んでいる。脳腫瘍の遺伝子診断においてIDH1あるいはIDH2の遺伝子変異や1p19q co-deletionの有無は検査が順調であるが、そのほかのATRX、TERT、TP53などの遺伝子変異、MGMT promotor領域のメチル化の有無、VEGF/VEGFRs, HIF-1α/CA9の発現については、検査ができていない症例もあり、少し遅れている。 また、腫瘍の種類において症例数の偏りがあり、検討が勧めれない脳腫瘍もある。 また、ベバシズマブを使用した症例のPET検査の治療効果判定については、症例数は順調に増加しているが、そのほかの化学療法や放射線治療のみといった症例は少ないため、今後、さらなる症例数獲得が必要であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
脳腫瘍の診断においては、4つのPET検査の結果と脳腫瘍の遺伝子診断を併せて評価している。したがって、4つのPET検査の結果から、脳腫瘍の遺伝子診断を予測した後、手術にて摘出した標本より腫瘍の遺伝子検索を行い、前もって予測した診断と一致しているのかどうかという点に関しては、評価ができていないため、今後、この点に注目して、検討を行う必要がある。 治療効果判断にPET検査が利用できるのかという点に関しても、現段階では、治療予後が良い症例のPET検査の集積の変化率が低下したことがこれまでわかってきたことであり、PET検査の集積の変化率低下した症例の今後の予後予測をもとに、実際に長期にわたって再発しなかったのか、長期生存をしたのか、などを評価ができていない。 以上より、診断においても、あるいは治療効果判定においても、PET検査の予測から実際の再発や生存期間を推測できていないので、この点について解明していく必要があると思わえる。
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Research Products
(6 results)