2020 Fiscal Year Research-status Report
神経膠腫における分子生物学的分類と個別化治療の確立
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19K09490
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐々木 光 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70245512)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 乏突起膠腫 / 1p/19q / 術前化学療法 / CNV |
Outline of Annual Research Achievements |
1)化学療法後残存腫瘍の特性を解明することによる、神経膠腫の再発メカニズム・治療標的の解明:アルキル化剤による化学療法(術前化学療法)後に切除された乏突起膠腫15例において、化学療法前後(初回腫瘍vs化学療法後腫瘍)における、組織学的変化、腫瘍内グリオーマ幹細胞の割合の変化、腫瘍内M2マクロファージの数の変化などを比較検討した。化学療法後の残存腫瘍では、グリオーマ幹細胞の割合が増加し、またマクロファージの数、特にM2マクロファージが増加することが示された。これらにより、グリオーマ幹細胞及びM2マクロファージが、神経膠腫におけるアルキル化剤耐性、及びその後の再発に関与していることが示された。投稿直前である。 2)形態学的乏突起膠腫の分子生物学的・臨床的特徴の解明:当院で過去に摘出手術が行われたWHO grade 2-3神経膠腫93例を対象に、IDH-1p/19qに基づく3分子分類のそれぞれにおいて、形態診断の意義を検討した。結果、IDH-mut, 1p/19q-noncodel群及びIDH-wild群では、乏突起膠腫の組織学的特徴は、独立した予後因子ではないことが示された。一方、IDH-mut, 1p/19q-codel群では、独立した予後因子である可能性が示された。投稿直前である。 3)CNVクラスター解析による神経膠腫の細分類と再発分子経路の解明:当院で手術が施行された143例の神経膠腫を対象として、metaphase CGH 全座位の状態(gain, loss, no change)及びIDH変異の有無によるクラスター解析を行った。結果、神経膠腫は5群に分類され、特に、1p/19q-codel群が2群に分類されたことは興味深い。現在、予後との相関につき、検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要に記載したように、プロジェクト2は、投稿直前であり、順調である。一方で、プロジェクト1は、第一報は投稿直前であるものの、化学療法前後の腫瘍における網羅的遺伝子解析はまだ行えていない。また、プロジェクト3においても、予後との比較などがやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
プロジェクト1の第一報、プロジェクト2の論文は、速やかに投稿する。また、プロジェクト1における、化学療法前後の腫瘍における網羅的遺伝子解析を、秋までに行う。また、プロジェクト3を進め、次年度中の投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
プロジェクト1における第一報の投稿が、次年度になってしまったため、英文校正費用を持ち越した。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Genetic analysis in patients with newly diagnosed glioblastomas treated with interferon-beta plus temozolomide in comparison with temozolomide alone.2020
Author(s)
Natsume A, Aoki K, Ohka F, Maeda S, Hirano M, Adilijian A, Motomura K, Sumi M, Nishikawa R, Narita Y, Muragaki Y, Maruyama T, Ito T, Beppu T, Nakamura H, Kayama T, Sato S, Nagane M, Mishima K, Nakasu Y, Kurisu K, Yamasaki F, Sugiyama K, Onishi T, Iwadate Y, Sasaki H et al.
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Journal Title
Journal of Neuro-Oncology
Volume: 148
Pages: 17-27
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] TERT promoter mutation confers favorable prognosis regardless of 1p/19q status in adult diffuse gliomas with IDH1/2 mutations.2020
Author(s)
Arita H, Matsushita Y, Machida R, Yamasaki K, Hata N, Ohno M, Yamaguchi S, Sasayama T, Tanaka S, Higuchi F, Iuchi T, Saito K, Kanamori M, Matsuda K, Miyake Y, Tamura K, Tamai S, Nakamura T, Uda T, Okita Y, Fukai J, Sakamoto D , Hattori Y, Pareira ES, Hatae R, Ishi Y, Miyakita Y, Tanaka K, Takayanagi S, Sasaki H et al.
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Journal Title
Acta Neuropathologica Communications
Volume: 8
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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