2020 Fiscal Year Research-status Report
Indentification of abnormal neural network for the innovation of epilepsy surgery
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19K09494
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
岩崎 真樹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 部長 (00420018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土岐 圭伊子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 手術・中央材料部, 医師 (00831893)
飯島 圭哉 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 医員 (10751878)
宮崎 智之 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30580724)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | てんかん外科 / 脳波 / 麻酔 / てんかん性放電 / 脳波高周波振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、麻酔薬曝露により誘導される異常脳波の解析手法を構築し、さらにその分子基盤を解明することによって、てんかん性異常の正確な同定法を構築することである。てんかんの20~30%を占める薬剤抵抗性てんかんには外科治療が適応されるが、切除範囲を決めるために侵襲性の高い頭蓋内電極留置検査が必要となる例が30~40%程度存在する。本研究では、麻酔薬暴露下に記録された脳波を位相カップリングに基づいた解析によって評価し、それらを切除検体の分子生物学的・遺伝学的解析結果および臨床データと比較することで、てんかん外科の治療計画においててんかん性異常を短時間で正確に同定する手法を開発し、前向き試験に向けた基礎データを獲得する。 2019年度に研究計画書を整備して倫理承認を得てから(課題名:慢性頭蓋内電極留置中の難治性てんかん患者を対象として、全身麻酔中の脳波変化の統計学的解析によりてんかん焦点領域を同定する探索的臨床研究(観察研究))、年間登録20例を目標症例数に設定し研究を開始した。ミシガン小児病院の研究協力者の指導のもと、modulation index等を指標にした脳波解析を進めている。また、切除検体の生化学的解析を横浜市立大学と共同で進めている。 切除領域と非切除領域の電極のModulation index(MI)の平均値をセボフルランの濃度ごとに(セボフルラン濃度が上昇していく時間を分割し、時間ごとに) 一般化線形混合効果モデル等を用いてロジスティック回帰分析を行い、濃度依存的なMIの変化を検討することで、MIを用いた発作焦点推定における至適セボフルラン濃度を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までてんかん外科の術前精査を目的に頭蓋内電極留置を行った14例から同意を取得し、麻酔導入時の脳波を測定した。切除検体から得られた脳試料の生化学的解析と、脳波解析を並行して進めている。新型コロナウイルス感染症流行の影響で手術症例が減ったため、新規組込例がなく、予定よりも少ない症例数で研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
中間解析の結果、発作起始域を指標にした場合に統計学的有意差が得にくい傾向であった。そのため、発作転帰良好例における最終的な切除領域(発作焦点を含む領域)を指標に解析を進めている。てんかん棘波、高周波振動、高周波振動と徐波のmodulation indexといった脳波バイオマーカーと、てんかん発作焦点の局在を比較するが、相関が乏しい場合は症例選択基準の見直しや、焦点局在の再解析を行って対応する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による診療活動の減少によって、対象例の新規組み込みが大幅に減り、研究の進捗に遅れを生じた。対象症例数は減るが、予定通りの研究計画にて次年度に使用予定である。
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Research Products
(2 results)