2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K09504
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
天野 慎士 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (70464138)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自殺遺伝子療法 / 脳腫瘍 / 脂肪由来間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性グリオーマをターゲットに、脳内を自由に遊走し腫瘍に集積する神経幹細胞や間葉系幹細胞をベクターとする自殺遺伝子治療を開発し、その有用性と安全性を検証してきた。本研究の目的は、より利便性がよいと思われる脂肪由来間葉系幹細胞が、HSVtk/GCV遺伝子治療に適した新たなベクター細胞として利用可能かどうかを検証することである。 in vitroにおいて、脂肪細胞由来間葉系幹細胞(Adipose Derived Mesenchymal Stem Cell;AD-MSC)を作成し、ラット脳腫瘍細胞C6とtk遺伝子を導入したAD-MSC(AD-MSCtk)を様々な比率で共培養し、GCVの投与を行い、bystander効果の発現を観察した。AD-MSCtk:C6比が1:8までbystander効果による殺腫瘍効果を確認した。in vivoでは、ラット脳腫瘍細胞C6を用い、脳腫瘍モデルラットを作成した。作成直後、作成1日後、3日後、7日後にC6細胞と同数のADMSCtkを注入するpirot studyを行った。腫瘍モデルラット作成からAD-MSCtk細胞の投与までの期間が短いほど抗腫瘍効果が見られた。 2021年度は、今までに行ったin vitroでの治療効果の検証を続けつつ、in vivoでの効果判定を継続して行った。C6脳腫瘍モデルラットを作成し、作成1日後にAD-MSCtkを様々な比率で注入し、GCV投与を行う治療研究を行った。投与するADMSCtkの比率が大きい程、抗腫瘍効果が得られ、C6:AD-MSCtkの比率が16:1まで抗腫瘍効果が得られた。 今後は、AD-MSCtkの安定的な細胞供給が必要であり、培養過程での細胞死を防ぐ手法や、より効率的な遺伝子導入を行う手法の究明が課題である。
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