2019 Fiscal Year Research-status Report
経頭蓋直流電気刺激を用いた急性期脳梗塞治療の有効性と作用機序に関する検討
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19K09506
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 元 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80533794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 友彦 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00723123)
貴島 晴彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10332743)
川端 修平 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20764062)
井筒 伸之 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20834170)
西田 武生 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30533806)
角野 喜則 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (60770675)
高垣 匡寿 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70724433)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 急性期脳梗塞 / 経頭蓋直流電気刺激 / 皮質拡延性抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
経頭蓋直流電気刺激(Transcranial Direct Current Stimulation:tDCS)とは、頭皮に置いた電極から微弱な直流電流を流し、脳細胞を刺激する治療であり、リハビリテーション領域ではすでに臨床応用されている。本治療は、①大きな副作用がないこと、②大掛かりな装置を必要としないこと、③既存の治療との併用が可能であること、などから、様々な病態への応用が期待されている。 本研究では,急性期脳梗塞に対するtDCSの治療効果を検証すべく、動物モデルを用いた実験系の作成を計画した。具体的には、マウス中大脳動脈閉塞モデルを作成し、そのモデルにtDCSを行いつつ、脳表血流変化をモニタリングするという手法を考えている。 当該年度は、マウス中大脳動脈閉塞モデルを作成するための環境を整えるとともに、tDCSによる先行研究を吟味し、最適な刺激設定を模索した。残念ながら、現時点ではマウスに対するtDCSが確立されておらず、電極をはじめとした刺激機器を一から選定(作成)し、電気刺激アルゴリズムを検討しなければならなかった。また、tDCSにより誘発されるであろう脳表血流変化の可視化に用いるレーザースペックル脳表血流計の調整ならびに設置も行った。 今後、急性期脳梗塞モデルに対するtDCS介入データの収集を開始する予定であるが、万一、現在の設定で十分な効果が得られない場合は、刺激方法の変更を検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば当該年度中に実験系を完成し、令和2年度開始とともにデータを収集する予定であったが、電極をはじめとした刺激機器の調達や電気刺激アルゴリズムの検討に時間を要したため、進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度はtDCSを完成させ、急性期脳梗塞モデル(マウス中大脳動脈閉塞モデル)への刺激を開始する予定である。tDCSによりマウスの体動が発生し、レーザースペックル脳表血流計の精度が低下する場合は、頭部固定装置の改良も行いたい。令和2年度中にデータを蓄積し、令和3年度は主にデータ解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
刺激装置や電極の選定に時間を要したため、当該年度内に刺激装置を発注することができなかった。令和2年度早々に購入を予定しているため、差額は消失するものと思われる。
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