2021 Fiscal Year Annual Research Report
くも膜下出血に伴う脳血管攣縮の脳・髄液代謝変化のオミクスによる包括的解析
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19K09507
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
魚住 洋一 神戸大学, 医学研究科, 助教 (50815446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲村 英二 神戸大学, 医学研究科, 名誉教授 (30225388)
谷口 理章 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (60346195)
中井 友昭 神戸大学, 医学研究科, 助教 (60596089)
木村 英仁 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90514753)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / ストレス関連ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はくも膜下出血で起こる脳血管攣縮の機序を明らかにするため、くも膜下出血患者脳脊髄液(髄液)および血液代謝物の変化をオミクスの手法を用いて解析し、脳血管攣縮時の代謝経路・代謝物の特異的な変化を明らかにすることで脳血管攣縮の予測を行うことであった。 3年間で75患者から合計275検体の髄液と219検体の血清を採取した。髄液に関してメタボローム解析を行い、得られた結果を踏まえて主成分解析などの多変量解析手法を用いて解析し脳血管攣縮おいて特異的に変化する代謝経路同定を試みたが、脳血管攣縮の出現と関連性の高い代謝産物を明らかにするに至らなかった。 そこで検体採取と同時に収集したそれぞれのくも膜下出血患者における採血データなどを解析した結果、脳血管攣縮を予測しうる内分泌代謝学的マーカーの候補物質を同定した。この副次的な研究実績の一部は国内及び国際学会において発表した。さらにくも膜下出血発症日のストレス関連ホルモン値が脳血管攣縮の発症に強く関与していることが明らかになったため、その結果をまとめて論文化し、国際雑誌へ投稿した。現在査読を受けている最中である。 オミクス手法を用いた脳血管攣縮原因物質特定には至っていないが、くも膜下出血発症日に脳血管攣縮の発症が予測できることの臨床的意味、患者の受ける利益は非常に大きく、この結果は脳血管攣縮を予防する治療にもつながる成果だと考えられる。 またくも膜下出血を鑑別に挙げるべき最も重要な症候である頭痛に関して、開頭術後に発症する頭痛の後方視的検討を行い、その頭痛に関する有効な治療法を発見したので、査読付き国際誌に投稿し受理された。
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Research Products
(3 results)