2019 Fiscal Year Research-status Report
脳動脈瘤モデルサル樹立による脳動脈瘤新規治療法開発基盤整備
Project/Area Number |
19K09524
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
辻 敬一 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80838045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 和彦 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252452)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | cerebral aneurysm / cynomolgus monkey / animal model |
Outline of Annual Research Achievements |
げっ歯類を用いた脳動脈瘤モデルは確立されているが、霊長類を用いた脳動脈瘤モデルは未だ確立されておらず、霊長類脳動脈瘤モデルを確立できれば、脳動脈瘤の病態解析が進み、創薬など新規治療法の開発に有用となる。本研究では、当施設で飼育されているメスカニクイザルを用いて霊長類脳動脈瘤モデルの確立・完成させることを主たる目的とした。その手法として腎動脈狭窄術による高血圧の誘導、後方循環血流増大を期待して段階的に両側頚動脈結紮を行うことでカニクイザル脳動脈瘤モデルを作成した。その後は定期的な血圧のモニタリングと画像経過観察を継続してきた。 モデル作成手術前に、血圧測定などの処置を行う際にサルを充分馴化する期間を設け、覚醒下及び鎮静下の血圧を評価した。画像評価に関しては、鎮静下に頭部MRI(MRA)及び、経静脈的に造影剤を投与することでCT撮影を行い、3D-CT angiographyを作成し、脳動脈瘤の発現の有無、また両側頚動脈の結紮に伴い、血行力学的負荷の影響が後方循環の動脈に認めれるか血管径を評価している。 霊長類の脳血管解剖についての文献報告は少なく、カニクイザルを対象とした脳血管解剖の文献は我々が狩猟した限り確認できていない。本研究を行う上で、カニクイザルの脳血管構造についての情報は必須であり、カニクイザルの屍体脳から採取した脳血管、MRIやCTを用いた画像情報を用いて、脳血管解剖についての解析も同時に進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カニクイザルの正常脳血管解剖についての解析は概ね終了している。カニクイザル脳動脈瘤モデルの血圧モニタリング、画像経過観察も概ね予定通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
脳動脈瘤モデルの画像経過観察が終了次第、モデル動物を安楽死させ、脳血管を採取し脳動脈及び脳動脈瘤の病理標本を作成する。脳動脈瘤標本から血管壁の構成成分(血管内皮細胞、内弾性板、血管平滑筋)や脳動脈瘤病態を制御する炎症関連因子について評価を行う。脳血管径を計測し、正常個体の脳血管径と比較することで血行力学負荷の評価を行う。
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Causes of Carryover |
費用の内訳は、モデル動物の飼育費、血液検査の外注費用、血圧モニタリング、画像撮影時に動物を鎮静する際の麻酔薬などである。今後サルの安楽死を行う際に、必要な麻酔薬、解剖器具、脳動脈瘤標本を作成するための費用に充填する予定である。
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