2020 Fiscal Year Research-status Report
Assessment of brain activity in patients with chronic low back pain using a non-contact brain activity detection sensor
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19K09550
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
谷島 伸二 鳥取大学, 医学部, 講師 (20747068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 泰則 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 助教 (40240759)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 慢性腰痛 / fMRI / 扁桃体 / 前頭葉 / 島皮質 / 非接触センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腰痛患者の脳活動をとらえるために、慢性腰痛患者に腰痛に関する質問を聞かせ顔色を非接触センサーで評価することとfMRIの評価を行うことが本研究の骨子である。 今年度の実績は22名の被験者に対して、非接触センサーとfMRIの撮像を行った。そのうちfMRIの解析ができたのは16名である。内訳は健常者:9名、慢性腰痛7名である。fMRIの解析はPain 条件のみ行った(Pain -Neutral条件の解析は現在進行中である)。16名全体を通して賦活化が確認できたのは扁桃体、弁蓋・後島であった。慢性患者は健常者に比較して有意に記憶や情動をつかさどる領域である扁桃体が賦活化していた。一方でコントロール群は前頭葉が有意に慢性腰痛患者より賦活化していた。慢性腰痛患者については当初の仮説通り、腰痛関連の音声を聞くことで痛みの記憶が引き起こされており、何らかの情動変化を患者にもたらしている可能性があると考えている。一方で、健常者は前頭葉の賦活化が顕著であった。前頭葉は島皮質に抑制の投射があり、「痛み」を抑制しているとも考えられる結果であった。これは健常者は痛みの記憶を引き起こされても、自身でそれを抑制できていることを示唆する結果であった。解析数が少ないため、今後症例数を追加していく。 現時点ではセンサーによる顔色解析の結果とfMRI の結果の関連については、解析中である。本実験の先行研究である慢性腰痛患者の顔色変化を非接触センサーで解析した研究は解析が終了し、投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響でfMRIを撮像する患者を入院患者で、コロナ感染がないことが確実な症例に限っている。 そのため患者のリクルートに若干の遅れが生じている。遅れは軽度であり、大きな支障はない。
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Strategy for Future Research Activity |
症例登録は2021年9月までに終わる予定、その後年内にfMRIの解析、センターの解析を終了する。その後論文化を予定している。
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Causes of Carryover |
いくつかの学会の発表を予定していたが、コロナ禍で出張が困難な状態となり計上した費用を使用しなかった。また研究グループでの会合もWebで行ったため、こちらの出張費も使用していない。そのため大幅に費用に変更が生じた。
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