2023 Fiscal Year Annual Research Report
T1ρmapping MRI評価と3次元運動解析に基づく早期膝OA診断の確立
Project/Area Number |
19K09575
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中村 英一 熊本大学, 病院, 医員 (70274719)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡元 信和 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (70600162)
舛田 哲朗 熊本大学, 病院, 特任助教 (20794530)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 早期変形性膝関節症 / T1ρ & T2 mapping MRI / 3次元歩行解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,コロナ禍のため、患者リクルートに支障が生じ、限定的な結果しか得られなかった。 第1回国際早期変形性膝関節症診断基準に基づいた早期膝OA35膝での検討となった。対象は、早期膝OA35膝(以下、OA群)で、男性21膝、女性14膝、年齢は40歳から66歳、平均54歳であった。対照とした健常膝は12膝(以下、健常群)で、平均年齢は21歳であった。 ①関節軟骨のMRI質的評価では、コロナ禍のため来院時間の制限等の理由により当初予定のT1ρから正相関のあるT2 mappingへ変更し定量評価を行った(Nisioka H, Nakamura E, et al. J Magn Reson Imaging 2012 ;35:147-55)。健常群では、大腿骨内側顆39.8± 2.2 ms、脛骨内側顆36.1 ± 1.8 msに対し、OA群では大腿骨内側顆42.1±5.2 ms 、脛骨内側顆37.8±5.9 ms と、差はみられなかった。このためcut-off値あるいは推定値を設定することはできなかった。 ②歩行解析では、立脚期では、膝関節の可動域は、健常群の5.5°~52.9°に対し、OA群では7.2°~34.0°と低下していた。一方、健常群とOA群の内旋角度(°)、大腿骨に対する脛骨の前後(AP)および内外側(ML)移動量(%height cm)は、それぞれ20.0±5.3 vs 18.6±7.3、 3.1±1.7 vs 2.8±2.7、2.9±1.9 vs 1.9±2.4と、差はみられなかった。また、膝関節外的な移転モーメントにも両群間で差はみられなかった。 今回の結果より、早期膝OAでは、正常群に比べ、歩行時の膝関節の屈曲可動域は減少していたものの、関節軟骨の変化は乏しく、これらの値による健常膝と早期膝OAを識別はできず、早期OA膝の診断基準の補完は困難であった。
|