2021 Fiscal Year Annual Research Report
家族性膝蓋骨無形成症の新規原因遺伝子の同定と疾患発症機序の解析
Project/Area Number |
19K09585
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
高木 潤子 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00319336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出家 正隆 愛知医科大学, 医学部, 教授 (30363063)
吉川 和宏 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, 特務教授 (60109759)
高見 昭良 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80324078)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膝蓋骨無形成 / 原因遺伝子 / 歩行障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度の報告 令和3年度の目的は、遺伝子導入マウスを系統的に繁殖させることにより遺伝子型の異なる系列を維持し、ホモ、ヘテロ、野生型の遺伝子を有する各マウスにおける骨形成について、胎生期の各段階と成熟個体における形態の差異を解析することであった。本計画に従い、各遺伝子型のマウスを繁殖させ、動物用CTによる骨格系の解析を行った。その結果、出生後の日齢0、30および60日のマウスにおいて、膝蓋骨も含め、CT画像上確認できる明らかな解剖学的差異は認められなかった。このため、膝蓋骨が形成過程にある胎生期マウスにおいて、ホモ、ヘテロ、野生型の膝関節部を含むパラフィン切片を新たに作成し、病理学的手法による比較検討を行う事とした。病理組織検体は、膝蓋骨形成が開始される胎生14日および形成がほぼ完了する胎生16日のマウスから作成した。その結果、ホモの大腿骨組織において、その先端部では、通常は、増殖細胞から骨細胞へ分化していく細胞が存在する領域において、骨形成のための比較的大きな分裂細胞の領域が拡大し、野生型と比較して細胞密度の違いが観察された。そこで、増殖期にあると思われる細胞が多く認められていることから、実際に細胞増殖期にある細胞がどれほどあるかについて、ホモと、野生型の組織標本を対象にki-67陽性細胞を比較した。その結果、ホモ組織では明らかにki-67陽性細胞が多く認められ、細胞増殖が進み、骨への成熟分化が進んでいないと考えられた。この結果から、今回見出した遺伝子は、骨形成に関わる細胞の分裂増殖から分化に関わることが示唆された。 今後は、骨形成については組織の透明化試薬を用い、ホモ、ヘテロ、野生型マウス胎児で各標本作成し、比較すること、また、膝蓋骨形成に関わる分子との関連について検討する。
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