2020 Fiscal Year Research-status Report
Disturbed organelle-renewal by aging-associated miRNA in aged somatic stem cells
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19K09586
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
福田 寛二 近畿大学, 医学部, 教授 (50201744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 慎一 近畿大学, 医学部, 教授 (10207714)
寺村 岳士 近畿大学, 大学病院, 講師 (40460901)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 幹細胞老化 / 活性酸素 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
組織幹細胞の老化は、組織恒常性の低下を引き起こす要因の一つであると考えられている。酸化ストレス(Reactive oxygen species: ROS)の蓄積は細胞老化の代表的な形質であり機能低下の主因である。劣化したミトコンドリア、ペルオキシダーゼの残留は強大なROSの発生源であるが、それを引き起こす機構はよくわかっていない。今回、老化細胞で特異的に発現が上昇するmiRNA(Aging-associated miRNA: Ag-miRNA)が劣化ミトコンドリアやペルオキシダーゼ分解の調節因子であるという仮説を立てた。本研究では骨髄内の間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell、MSC)をモデルにAg-miRNAを同定し、その働きを明らかにすることにより幹細胞老化の新しい機構を明らかにすることが本研究の目的である。 昨年度までに、骨髄MSCで加齢性に蓄積するAg-miRNAの同定と解析を進め、miR-155、MIR-142がそれぞれミトコンドリアとペルオキシソームの更新を阻害し、活性酸素の発生を誘導しうることを発見、報告した。一方で、老化組織環境とmiR-155やmiR-142の発現を結びつける機序には不明な点が多い。そこで、昨年度以降はmiR-155、142以外のAg-miRNAの解析に加え、組織環境とAg-miRNA発現の関係性について検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ag-miRNAの表現系について、幹細胞老化と機能的に関係する新規の知見を発見し、原著論文および学会で発表を行なっている。 また、Ag-miRNAが細胞外から供給されうる可能性を示唆するデータを得ており、現在論文として発表準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、老化組織環境とAg-miRNAの発現を結びつける機序について検討を進める。特に、骨髄組織については加齢に伴う脂肪細胞の蓄積(脂肪髄)が問題となっているが、その分子機序はわかっていない。我々は脂肪細胞に由来する小胞(Exosome)について解析を進めており、加齢脂肪組織から産生されるExosomeへのAg-miRNAの含有と幹細胞変性という新たな分子連関を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
今年度、研究に必須の機材である細胞培養器が故障し、修理不可となった。研究に支障をきたすため、本研究の専用使用目的で前倒し請求を行い購入した。 また、前倒し請求にて購入した細胞培養器が想定より安価で購入することが出来たため、その分を令和3年度の実験に使用する試薬、物品等の購入費用として計上している。当初の予定通り消耗品として使用する。
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Research Products
(2 results)