2021 Fiscal Year Annual Research Report
老化幹細胞でみられるオルガネラ更新の変化とAg-miRNAによる制御
Project/Area Number |
19K09586
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
福田 寛二 近畿大学, 医学部, 教授
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | 組織幹細胞 / 酸化ストレス / オートファジー / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
組織幹細胞の老化は、組織恒常性の低下を引き起こす要因の一つであると考えられている。酸化ストレス(Reactive oxygen species: ROS)の蓄積は細胞老化の代表的な形質であり機能低下の主因である。劣化したミトコンドリア、ペルオキシダーゼの残留は強大なROSの発生源であるが、それを引き起こす機構はよくわかっていない。本研究では、老化細胞で特異的に発現が上昇するmiRNA(Aging-associated miRNA: Ag-miRNA)が劣化ミトコンドリアやペルオキシダーゼ分解の調節因子であるという仮説を立て、これを検証した。加齢マウス骨髄間葉系幹細胞(Bone Marrow Mesenchymal stem cell、BMMSC)をモデルにAg-miRNAを探索したところ、miR-142、miR-155が加齢BMMSCで上昇することを発見した。培養細胞を用いた機能解析の結果、miR-142はEpas1の抑制を介してペルオキシソーム選択的オートファジーを阻害し劣化ペルオキシソームの蓄積を誘導すること、miR-155はBAG5の発現を抑制することでParkinに制御されるミトコンドリア選択的オートファジーを阻害することが明らかとなった。本研究により、2種類のオルガネラ選択的オートファジーを阻害するAg-miRNAが明らかとなった。今後さらに研究を進展させることで、加齢性疾患のバイオマーカーあるいは治療標的分子としての発展性が期待できる。
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