2019 Fiscal Year Research-status Report
Optimal Structural Design of 3D Printed Artifitial Bone
Project/Area Number |
19K09588
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大山 慎太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 客員研究員 (80768797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 秀夫 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (00261206)
山澤 建二 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 副チームリーダー (50344057)
平田 仁 名古屋大学, 予防早期医療創成センター(医), 教授 (80173243)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人工骨 / 3Dプリンター / 構造力学 / 整形外科 / リン酸三カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
既存のRICOH社製3Dプリンタを利用し、φ2mm、高さ2mm柱のαTCP(αリン酸三カルシウム)人工骨を成型した(以降3D人工骨柱)。これに関してはヘッドの動作やインクの吐出プログラムを修正し、骨柱の収率を改善させることができた。骨梁構造や支柱構造の理論上強度と骨置換性能を調査するため、研究計画通り、通常の3D人工骨柱と、3D人工骨柱の中央1/3層を骨梁を模した低密度の構造(密度3層3D人工骨柱)を設計し印刷造形を行った。比較は以下の3パターンで行った(1.密度を均一にした3D人工骨柱と密度3層3D人工骨柱/2.既存の市販人工骨と3D人工骨柱/3.既存の市販人工骨と密度3層3D人工骨柱) 2週齢のラット大腿骨に埋植し1/2/4週/3か月/6か月で摘出し、CT撮影を行い、組織切片を作成。Masson Trichrome染色、TRAP染色を行い骨組織への置換や骨侵入を観察した。1の比較においてははいずれも1週目から良好な骨導入が確認されたが、低密度構造の方が良好な骨導入が観察され、特に低密度の中1/3層に特に良好な骨誘導が観察された。またCT上も良好な骨化が確認された。2.3.は既存人工骨より早期の段階で骨化を確認することができた。 我々が本研究の開始前に予想していたより低密度構造でも早い段階での骨侵入が観察されることが判明した。骨梁構造を正確に印刷することで圧縮強度を落とさずに低密度構造を実現することが可能なため、今後は縦方向の支柱構造を印刷し応力計算を行い構造強度を落とさないような印刷ノウハウを蓄積していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた構造特性の違いを出した3D人工骨の印刷とそれを用いた動物実験は行うことができた。構造の違いを出す印刷技術はほぼ確立しており、構造力学的な検証も実施することができた。論文は出版までこぎつけることができなかったが、技術的な背景での工学的論文と生体工学的・医学的背景での医学的論文の2本を執筆中であり、概ね予定通りに進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
人工骨の密度は理論的に骨誘導性が高い200μmの連通孔が最大化するような構造で印刷していたが、中1/3の良好な骨誘導と骨化は予想していたよりスパースな構造でも良好な骨誘導性が得られることを示した。力学的に重要ではない部分に関してはスパースな印刷ができるならばすることが望ましいと考える。力学的支持部である、骨梁構造を正確に印刷することで圧縮強度を落とさずに骨梁以外の低密度構造を実現することが可能なため、今後は縦方向の支柱構造を印刷し応力計算を行い印刷ノウハウを蓄積していく予定である。 今後は3D造形のバリエーションを増やし、また物理的強度検査を追加し、データを蓄積、最終年度にはそれに基づいたシミュレーションソフトウェアを作成するのが目標である
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Causes of Carryover |
インクと印刷材料のための予算を確保していたが、すでに持っていたものでほとんど足りた。またプリンタ機器の改良を見込んでいたが、ハードウェアの改良は1000万程度必要ということで別予算を確保する必要が出て、ハードウェアの改良で見込んでいた予算は来年度に持ち越しを行った。ソフトウェアの改良は行うことができた。
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Research Products
(3 results)