2020 Fiscal Year Research-status Report
Optimal Structural Design of 3D Printed Artifitial Bone
Project/Area Number |
19K09588
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大山 慎太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 客員研究員 (80768797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 秀夫 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (00261206)
山澤 建二 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 副チームリーダー (50344057)
平田 仁 名古屋大学, 予防早期医療創成センター(医), 教授 (80173243)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人工骨 / 3Dプリンター / 構造力学 / 整形外科 / リン酸三カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究はオンサイトでの実験が困難であったため、主に昨年度までの動物実験の結果を解析し、3Dプリント精度を向上させるためのハードウェアの仕様策定、およびソフトウェアの改善、知財化や事業化に向けてのパートナー探索を行った。 現在使用しているプリンターは造形精度は問題ないが、インク(液剤)が1種類しか利用できなく、また着弾の状態も作業エリア外からの撮影のみとなり、Z軸方向からの映像情報がないため、性能改善のための情報が不十分であった。そこでこれまでの研究成果を踏まえたプロトタイプの作成を目指し、仕様策定を行った。ハードウェアは基本的な基材であるエチドロン酸に加えて、印刷時に複数の種類のインク(液剤)を混在させることで、複雑な特性を付与可能とするべく、4ヘッド仕様で検討した。またヘッド動作に関してもX軸だけでなく数mm単位でのY軸調整がそれぞれ可能とし、液滴の状態をカメラで監視可能とする仕様で検討を進めた。これらに仕様より液滴が構造孔を構成するためのインクと、周囲を硬化させるためや足場材料としての性能を改善させるためなど細かくわけるだけでなく、インク間の物理的科学的な干渉を最小限にすることが可能となり、またカメラ画像によりインクが硬化の過程でどのように着弾し浸透するかの過程を実際の作成時に可視化することが可能となった。最終年度は共同研究者や企業の出資の下、このような仕様で研究成果を搭載したプロトタイプを作成する予定であり、その過程で造形実験を進めていき、予定していた物理化学特性が実現可能かを検証する研究計画である。 今年度はこれらの過程で特許出願1件、出版3件、口頭発表2件を行った。現在、上記出資企業と技術移転についても協議中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は人工骨のさらなる構造バリエーションを増やしたうえで、動物実験を行い生体吸収特性やin vivo強度特性の計測を行い、シミュレーションのためのデータを増やしていく予定であったが、新型コロナウイルス感染症のため、客員研究員である研究代表者が名古屋から予定していた動物実験に訪埼することが困難となった。そのため構造バリエーションによる生体吸収特性の検討はこれまでの動物実験結果からのシミュレーションで行い、構造物理的なシミュレーションを中心とした検討を基に、最終年度予定していた時期ハードウェアプロトタイプ・ソフトウェアの作成を前倒しして進めている。結果として順番が入れ替わる形となるが、プロトタイプを作成しながら、予定している機械構造強度がシミュレーション通り得られるかどうかの検討を進めるとともに、新型コロナウイルス感染症の落ち着きが得られた段階で埋植実験の再開も検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの研究結果を踏まえたプロトタイプ作成を進めていきながら、プロトタイプにおける製造実験を行っていく予定である。また搭載されるカメラ画像により液剤の界面での特性をより細かく解析可能とする予定である。この解析を加えることで、より製造物の特性付けが根拠だって可能となる予定であり、造形シミュレーションをより詳細に条件設定して行う予定である。 最終年度は共同研究者や企業の出資の下、このような仕様で研究成果を搭載したプロトタイプを作成する予定であり、その過程で造形実験を進めていき、予定していた物理化学特性が実現可能かを検証する研究計画であり、また企業との共同研究や実用化研究の競争資金提案を増やしていき、実装につなげていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度はシミュレーション精度を高めるために構造バリエーションによるin vivoの動物実験を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症のため動物実験施設への往訪が不可能となった。そのために研究計画を入れ替え、プロトタイプ機器の作成とソフトウェアの改善を行っている。このための資金は企業からの研究費を利用して行っているため、結果として予定していた交通費、動物実験に係る費用、3Dプリンタの消耗品などは使用しなかった。一方、最終年度はプロトタイプ作成を行いながら造形実験や動物実験、新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら往訪をはじめとする出張を行っていく予定であり、このための研究費使用を予定している。
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Research Products
(7 results)
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[Patent(Industrial Property Rights)] 人工骨2020
Inventor(s)
横田秀夫, 山澤建二, 辻村有紀, 大山慎太郎, 渡邉政樹
Industrial Property Rights Holder
横田秀夫, 山澤建二, 辻村有紀, 大山慎太郎, 渡邉政樹
Industrial Property Rights Type
特許
Industrial Property Number
2020-169561