2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K09595
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
松山 幸弘 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20312316)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PAC / nerve regeneration / central nervous system |
Outline of Annual Research Achievements |
光活性化アデニル酸シクラーゼ(Photoactivated Adenylyl Cyclase: PAC)遺伝子ベクターの導入率をラットにて評価した。ラットはSD系の9週齢メスを用いた。麻酔下にT10高位の椎弓切除を行い、脊髄を露出しマイクロシリンジを用いてT10高位の髄腔内に5μlのPACアデノ随伴ウィルスベクター(AAV)を投与し、導入7日後に脊髄の組織切片を作成し、導入率を評価し至適なベクター量を決定する方針とした。ベクター量を5μlではPACの導入は確認出来なかったため10μlまで増量、また髄腔内投与に1分かけて緩徐に投与することや、漏出予防のため注射後5分間は注射針を硬膜内に留置したままにしてから抜去するなどの調整を施行するもPACの導入は認められなかった。 故にこのPAC遺伝子ベクターを用いた脊髄へのPAC導入は困難であると判断した。 そこで同じ中枢神経である視神経を用いて中枢神経再生能について評価することとした。 PACを導入した視神経の軸索再生への影響を評価した。PACを導入した網膜神経節細胞(RGC)をin vivo 1日目(DIV1)に刺激し、視神経を損傷した後、DIV5より青色光を照射した。2週間の青色光照射後、連日30分、合計2週間青色光を照射したのち、還流固定をおき凍結切片を作成、RGCからの軸索再生を評価した。まず、PAC含有ベクターを導入した場合、コントロールベクターと比較して、損傷部位からの軸索再生が確認された。次に、青色光照射を行わないPAC含有ベクターでは、再生軸索の働きが制限されることを確認した。またPAC含有ベクターとコントロールベクターを用いた損傷モデルを比較すると、PAC含有ベクターは軸索再生と軸索数を有意に増加していた。また、青色光照射の有無にかかわらず、コントロールベクターは再生軸索の機能を欠くことを確認した。
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