2021 Fiscal Year Research-status Report
骨頭圧潰の予防法開発を念頭においた骨壊死修復過程の病態解析
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19K09601
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本村 悟朗 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50529857)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大腿骨頭壊死 / 骨頭圧潰 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腿骨頭壊死症では骨壊死に対する修復反応の過程で壊死境界域に骨硬化性変化を伴うようになり、その結果同部に応力集中をきたすことがわかっている。骨頭圧潰メカニズムとして、我々は応力集中の結果隣接する壊死域との間で軟骨下骨折を生じると仮説を立て、壊死境界域における骨硬化性変化の有無により圧潰形態に違いがあるか力学的試験を行い検証した。結果、境界域に骨硬化性変化がないと境界域とは関係なく圧迫骨折様に骨折が生じたのに対し、境界域に骨硬化性変化があると境界域で軟骨下骨折が生じる傾向があることが示唆された。今後は検体数を増やし、X線学的評価および組織学的評価を加え、英文誌に投稿予定である。 壊死境界域における骨硬化性変化が骨頭圧潰メカニズムに重要との観点のもと、未圧潰時に撮影されたCT像を利用し、解析ソフトを用いて壊死境界域および隣接する壊死域の骨密度をそれぞれ測定し、その後の圧潰発生との関連を調査した。結果、CT撮影から3ヶ月以内に圧潰した症例では壊死境界域の骨密度ならびに隣接する壊死域の骨密度との比が有意に高いことが示唆された。修復反応の程度が圧潰に及ぼす影響をはじめて報告するpreliminary paperとして論文にまとめ、英文誌に投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大腿骨頭壊死症の圧潰メカニズムに迫る本課題において我々の仮説をサポートする重要な知見が得られているが、説得力のあるデータとして公表するにはさらなる検体数の増加が必要であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、力学試験のデータを増やし、骨壊死に対する修復反応の結果生じる骨硬化性変化と圧潰形態についての論文をまとめて投稿する予定である。 圧潰前の臨床画像を用いて修復反応の程度が圧潰に及ぼす影響を検討した研究に関しても投稿準備中である。
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Causes of Carryover |
学会参加を見込んでいたが、すべてweb参加となり、旅費がかからなかったため。 病理標本作成に必要な試薬等の物品、英文校正費用、研究成果発表費、に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)