2020 Fiscal Year Research-status Report
膝蓋下脂肪体由来神経ペプチドを介した新規変形性膝関節症疼痛惹起機構の解明
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19K09606
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
相川 淳 北里大学, 医学部, 講師 (90317008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 健太郎 北里大学, 医学部, 講師 (50547578)
大久保 直 北里大学, 医学部, 准教授 (10450719)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膝蓋下脂肪体 / 神経ペプチド / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに変形性膝関節症(OA)における疼痛と膝蓋下脂肪体における神経ペプチドとの関連性を検討した。人工膝関節全置換術(TKA)を施行した際に変形性関節症(OA)患者から採取した膝蓋下脂肪体からRNAを抽出し、神経ペプチド(AGRP, CGRP, Substance P, 新規Peptide Lv, Apelin, Neuropeptide Y)の発現を検討した。その結果、peptide Lvは安静時VASと負の相関を認めた。本年度はメタボリックファクター(コレステロール、トリグリセリド、肥満)がこれらの神経ペプチドの発現に及ぼす影響を検討した。また、昨年度疼痛との関連性が示唆されたPeptide Lvの発現細胞を検討した。その結果、Neuropeptide Yの発現はトリグリセリド濃度と相関を示した(r=0.263, P=0.014)。Neuropeptide Yはトリグリセリドの代謝に関与することが報告されており、膝蓋下脂肪体でのNeuropeptideの発現はOA病態ではなくトリグリセリド代謝に関与しているものと考えられた。他方、その他の神経ぺプチドとコレステロール、トリグリセリド、肥満との間に有意な相関は認められなかった。フローサイトメトリーを用いてPeptide Lvの発現を検討した結果、一部のマクロファージポピュレーションがPeptide Lvを発現している可能性が示唆された。現在、マクロファージポピュレーションの詳細を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膝蓋下脂肪体における神経ペプチドの発現とメタボリックファクターとの関連性、疼痛との関連性を明らかにしており、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
疼痛スコアと相関を示した神経ペプチドの制御機構、役割を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)