2021 Fiscal Year Research-status Report
代謝リプログラミング制御による軟骨破壊抑制ー新規関節リウマチ治療を目指してー
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19K09619
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小嶋 俊久 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70378032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺部 健哉 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10816870)
祖父江 康司 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (70790715) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | chondrocyte / metabolism / glycolysis / mechanical stress |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、滑膜炎抑制、軟骨破壊抑制をともに可能とする治療標的として、代謝リプログラミングの制御に注目し、in vitroでの検証を重ねてきた。 1)軟骨細胞のメカニカルストレスによる代謝リプログラミングを検討するため、軟骨細胞の主たるメカノレセプターとしてTRPV-4に注目し、TRPV-4の特異的agonist(GSK101)による刺激実験行った。ヒト軟骨細胞において、IL-1β(10ng/mL)にて誘導されるMMP-13, 細胞外マトリクス成分であるプロテオグリカンの分解(DMMB assayによる)を低濃度GSK101は抑制しており、これは、GSK101による TRPV-4の活性化によるCaMKK/AMPK/NF-κB signaling pathwayを介した作用であることを明らかにした(Hattori et al. Sci Rep 2021)。2)滑膜細胞における制御のメカニズムとして、LPS刺激により起こるglycolysisは、2DGにより抑制され、重要な転写調節因子であるCREBを調節することを示した(Kishimoto et al. Arch Biochem Biophy 2021)。3)炎症サイトカイン刺激による軟骨細胞培養系では、グルコースの取入れに競合すると考えられるgalactoseの添加により、glycolysisの制御、軟骨破壊抑制が可能であることを証明した(Ohashi et al. Sci Rep 2021)。4)さらにglutaminolysisの制御により、glycolysisも抑制され、軟骨破壊抑制ができることを検証した(Kihira et al. paper in preparation) In vivoの実験系では、マウスに対するメカニカルストレスモデルとして走行負荷モデルに加え、半月板損傷による負荷モデルの作成を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitro 軟骨細胞、滑膜細胞を用いた実験系においては、成果を論文投稿することができた。 glycolysisのみならず、アミノ酸代謝、脂肪酸代謝制御による効果も検討している。炎症性サイトカインによる代謝変化、および代謝阻害薬の効果を糖、アミノ酸、脂肪酸代謝を網羅的に把握するためにメタボローム解析を行った。研究は発展的に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoの実験系として、走行モデル、関節炎モデルを確立してきた。実験系が進めやすい、半月板切除による関節症モデルも導入し、関節炎、関節症モデルにおける、軟骨細胞の代謝変化、その阻害薬による、軟骨破壊抑制効果を検証する予定である。 in vitroについては、代謝変化について網羅的(オミクス)解析を追加して行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染により、成果発表が十分に行えていないため、成果発表を行う予定。 また、代謝変化についても網羅的な解析(オミクス解析)を行うこととしたが、共同研究者との準備、調整に時間を要したため。
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Research Products
(3 results)