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2023 Fiscal Year Research-status Report

Cartilage protection by mechanical stress - changes of Exosome contents-

Research Project

Project/Area Number 19K09627
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

大月 孝志  岡山大学, 保健学研究科, 客員研究員 (10534802)

Project Period (FY) 2022-11-15 – 2025-03-31
Keywordsがん / エクソソーム / EMT / CAF
Outline of Annual Research Achievements

大腸がんの悪性に関わる因子の探索を実施した。これまでの当該分野での研究でTumor buddingやpoorly differentiated clustersなどの形態学的特徴とがん悪性度が相関していることが明らかになっている。また、Cancer associated fibroblast(CAF)もまたがん悪性度と関連があることが多数報告されている。残念なことに恐らくは結果であって原因ではない。悪性度を示す要因、メカニズムを解明する必要がある。そこで形態学的に予想される悪性度の低い方からA、B、Cにグレード分けし、それぞれのCAFの性質を解析することとした。CAFにはがん細胞に対して作用することが報告されておりCAF CはCA Aと比較して強いがん細胞の増殖能を有する。この作用として増殖因子などの液性因子の関与も考えられるが、CAFの産生するエクソソームのがん細胞に及ぼす作用を検討した。CAFの培養上清からエクソソームを回収する方法を改良し、がん細胞に比べて産生するエクソソーム量の少ないCAFからもエクソソームが安定して回収できるようにしました。CAF A、CAF Cから回収したエクソソームをがん細胞に添加し、それらの上皮間葉転換能(EMT)について検討した。CAF Aエクソソームは大腸がん細胞に対して上皮マーカーであるE-cadherinの発現を誘導、間葉系マーカーであるZEB1、Snail1、Vimentinの発現を抑制した。その一方でCAF CエクソソームはSnail1、Vimentinの発現上昇させた。つまり、CAF AはEMTを抑制、CAF Cは促進することを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

英国より帰国し所属が防衛大学外科学講座に変わったため、テーマをがん研究にそったものとした。測定機器、ガラス機器、試薬と多岐に渡り不足していて研究環境を整えることに多くの時間、労力を要することとなった。変更したテーマ遂行に必要な機器をできるだけ学内で利用できるよう協力を依頼し、学内に存在しないものに関しては代用品、プロトコールを改良することでテーマの遂行にあたった。大腸がんの悪性度については形態学的な情報であるTumor buddingやpoorly differentiated clustersなどががん悪性度が相関していることが明らかになっている。分子レベルでの悪性度の解析として悪性度を示す領域のマトリックス成分の分析(組織染色、免疫染色、プロテオーム解析、空間トランスクリプトーム)等が考えられたが前述したとおり設備、機器、試薬の制限があり、CAFの産生するエクソソームのがん細胞に対する影響を解析した。エクソソームの解析では性状分析(粒子径分、電子顕微鏡観察、ウエスタン分析等)、細胞への添加試験が予定され、安定した結果を得るためにまとまった量の培養上清のロットからエクソソームを回収、小分けした小ロット保存が必須である。残念ながら、防衛医科大学の科研費に関する事務処理は甚だ時間を要し、試薬調達に時間を要したためポリマー法でのエクソソーム回収が実施できなかった。このため超遠心により個別での実施となり、サンプル間の比較には細胞培養から再度同試験をくりかえす必要があり研究遂行には当初の予定より多くの時間を要することとなったがほぼ設定した項目の検討を行えた。

Strategy for Future Research Activity

大腸がんの悪性度についての形態学的な情報であるTumor buddingやpoorly differentiated clustersなどから分子レベルでの悪性度の解析する為にCAFの産生するエクソソームのがん細胞に対する影響を解析することとした。エクソソームの解析では性状分析(粒子径分、電子顕微鏡観察、ウエスタン分析等)、更には細胞への添加試験が予定され、信頼しうる安定した結果を得るためにまとまった量の培養上清のロットからエクソソームを回収、小分けした小ロット保存サンプルを用いた試験が必須である。超遠心法による培養上清からのエクソソーム回収では最終的にPBSにエクソソームを懸濁する為、長期保存、サンプル比較(特に生物活性試験)には用いることができない。このような理由からポリマー法による回収方法の方が適している。今後のエクソソームの回収には超遠心法ではなく、ポリマー法での調製を行う。CAF A 、CAF Cの培養上清からポリマー法で調製したエクソソームを用いて粒子径分布測定(NanoSight)、電子顕微鏡観察、がん細胞に対する生物活性(EMT誘導能、migration活性)の検討を行う。また、EVの含有するmiRNA、ncRNA、mRNA等を次世代シーケンシングで明らかにし悪性度を規定する分子メカニズムを明らかにする。

Causes of Carryover

予定していたよりも安価に試薬等を購入することができた為

  • Research Products

    (7 results)

All 2024 Other

All Presentation (6 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] DR 分類別にみた癌関連線維芽細胞由来 Exosome を介した大腸癌細胞の増殖能亢進2024

    • Author(s)
      菊家健太、岡本耕一、田代恵太、梶原由規、望月早月、山寺勝人、 大月孝志、安部紘生、曽田悠葵、川内隆幸、相原一紀、 辻本広紀、岸庸二、上野秀樹
    • Organizer
      第124回日本外科学会学術集会
  • [Presentation] 大腸癌におけるFOXC1遺伝子発現の臨床学的意義―術前内視鏡下生検組織を用いた検討2024

    • Author(s)
      山寺勝人 岡本耕一 大月孝志、梶原由規、安部紘生、曽田悠葵、田代恵太、相原一紀 川内隆幸、菊家健太、辻本広紀、岸庸二、上野秀樹
    • Organizer
      第124回日本外科学会学術集会
  • [Presentation] 大腸癌の肺転移巣における臓側胸膜浸潤の予後予測因子としての意義2024

    • Author(s)
      梶原由規、相原一紀、橋本博史、亀田光二、望月早月、岡本耕一、山寺勝人、大月孝志、 安部紘生、曽田悠葵、田代恵太、川内隆幸、菊家健太、田代真優、廣瀬裕一、大塚泰弘、島崎英幸、辻本広紀、岸庸二、上野秀樹
    • Organizer
      第124回日本外科学会学術集会
  • [Presentation] 大腸癌におけるがん関連線維芽細胞が分泌するtype-I collagen:Desmoplastic Reaction分類別の検討2024

    • Author(s)
      曽田悠葵、望月早月、守矢恒司、田中利明、梶原由規、岡本耕一、山寺勝人、大月孝志、安部紘生、田代恵太、菊家健太、川内隆幸、相原一紀、、辻本広紀、岸庸二、上野秀樹
    • Organizer
      第124回日本外科学会学術集会
  • [Presentation] 大腸癌肺転移巣における線維性癌間質反応の形態分類(DR 分類)の臨床的意義2024

    • Author(s)
      相原一紀、梶原由規、橋本博史、亀田光二、望月早月、岡本耕一、山寺勝人、大月孝志、安部紘生、曽田悠葵、田代恵太、川内隆幸、菊家健太、田代真優、廣瀬裕一、大塚泰弘、島崎英幸、辻本広紀、岸庸二、上野秀樹
    • Organizer
      第124回日本外科学会学術集会
  • [Presentation] 大腸癌における癌関連線維芽細胞の分泌する Exosome に関する検討 -PD-L1 Exosome に着目して-2024

    • Author(s)
      田代恵太、岡本耕一、望月早月、梶原由規、山寺勝人、大月孝志、安部紘生、曽田悠葵、菊家健太、川内隆幸、相原一紀、辻本広紀、岸庸二、上野秀樹
    • Organizer
      第124回日本外科学会学術集会
  • [Remarks]

    • URL

      https://okadaihirohatalab.jimdofree.com/

URL: 

Published: 2024-12-25  

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